ケルトの樹木暦では、サンザシは5月の木だ。
メイフラワーともよばれるセイヨウサンザシ(ホーソーン)は、苗木が売られているけれど、北海道では寒すぎて生育に適さないらしい。
このサンザシは女神を表わし、ベルテーンに女神を讃えて枝を家の中に持ち込むと、幸運を招き入れ祝福される。
しかしそれ以外の日に家に持ち込むと怒りを買い禍が起きると言われている。
あるいはサンザシは妖精の木なので、メイ・デイに妖精の丘にあるサンザシの木の下に座ると、妖精の国へ連れて行かれて戻ってこられなくなるという話もある。
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「ほんとうに、さんざしなんてない国に住んでいる人がかわいそうだと思うわ・・・そういう人はなにかもっといいものを持っているかもしれないって、ダイアナは言うんだけれど、でもさんざしよりもっといいものなんてあるはずがないわ」 (『赤毛のアン』より)
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サンザシがなくても何とも思わないことこそ悲劇だとアンは言った。
私はサンザシの実物を見たことがない。これは悲劇なのか....
一説によれば『赤毛のアン』のサンザシはホーソーンではなく別の植物だという(匍匐性のツツジ科の花らしい)。
たしかに、みんなでサンザシで花輪を作って帽子に飾る話が出てくるが、ホーソーンのトゲのある硬い枝では帽子に飾るような花輪は作れない気がする。
フィンドホーン・フラワーエッセンスのホーソーンは、特別にホーリーソーンと呼ばれている。
キーノートは《再生と創造》、自分自身と他者を愛し受け入れることを手助けしてくれる。
このエッセンスは、グラストンベリーのサンザシの花から作られた。
グラストンベリーのサンザシにはこのような伝説がある。
十字架から降ろされたイエスの埋葬をひきうけたアリマタヤのヨセフが、後にブリテン島に渡り、グラストンベリーに最初の教会を建てた。
グラストンベリー近郊のサンザシの木は、アリマタヤのヨセフが突き立てた杖が育ったもので、毎年クリスマス・イブに花を咲かせたと言われている。
その木は後に切り倒されてしまったが、その子孫なのか、聖なるサンザシ(ホーリーソーン)と呼ばれる木は今も存在するようだ。
ひとつの木に多くの物語、人間と同じように。
木は人間と密接な関わりがあるどころか、別の姿をとった人間自身だと、最近ますますそう思う。
posted by Sachiko at 22:16
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