2020年10月19日

アナベルのドライフラワー

アナベルは、咲きはじめの淡い緑色が美しく、咲き切ると真っ白になり、枯れてくると再び緑色になる。

白く咲いているときはまだ水分が多いので、うまくドライにならず萎れてしまう。
ドライフラワーにするには、枯れて緑色になった頃がいい。

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こうして、アナベルは長く楽しめる。
秋には、枯れてなお美しいものたちが、澄んで淡くなった光を浴びている。

窓から見える山もすっかり紅葉になり、先日は初冠雪が観測された。
もうチューリップの球根を植え付ける時期になり、気がつけばフワフワと雪虫が飛んでいる。
  
posted by Sachiko at 22:07 | Comment(2) |
2020年06月26日

カンパニュラ・パーシフォリア

かなり前に近所の人から一株もらったカンパニュラ・パーシフォリアがこぼれ種で殖えている。

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妖精は釣鐘型の花が好きだと言われている。
文字通り“釣鐘”の名を持つカンパニュラはその代表格で、妖精にはカンパニュラのかたちの帽子をかぶせたくなるのだ。

300種類ほどもあり、さらに毎年新しい園芸種が作りだされているカンパニュラの中でも、カンパニュラ・パーシフォリアは目にすることが多い。

日本のキキョウは楚々とした秋のイメージだが、カンパニュラの多くは初夏に咲く。
宮澤賢治はカンパニュラの花が好きだったという話がある。
思えば『銀河鉄道の夜』のカムパネルラの名はカンパニュラそのものだ。

宮澤賢治の童話にはリンドウの花もよく出てくる。
キキョウと同じく秋に咲く紫系の花で、花が開いた姿はキキョウに似ているけれど、こちらはリンドウ科だ。

どちらも中に小さなものが棲んでいそうな姿をしていて、秋の花に棲む日本の妖精は、小さくはかなげに透きとおっている気がする。

今年の6月も梅雨のようで花の時期が揃わず、バラとラベンダーが少し遅れて、デルフィニウムが先に咲いてしまった。
繁殖力旺盛なカンパニュラ・パーシフォリアは元気で、種があちこちに飛んで今年も思いがけないところに咲いている。
  
posted by Sachiko at 22:45 | Comment(3) |
2020年05月22日

野のすみれ

家の裏にすみれがたくさん咲いている。
種類はわからない。北海道には数十種類の野生のすみれがあるという。
私が植えたのではなく、いつの間にか咲いていた。

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花が終わるとたくさんの種を飛ばし、地下茎でも殖える。このすみれはきっと、ここに家が建つ前からあったのだ。
地下茎がほんの少しでも残っていると、そこからまた芽を出し、そうしてそっと生き延びてきたのだろう。

一時、もっと強靭な植物(フキなど)に押されてかなり少なくなってしまったが、また盛り返してきた。
小さく可憐な姿ながら、野生種は力強く清々しい命の香りがする。

すみれを踏みそうになるとき思いだす、ゲーテのバラッド「すみれ(Das Veilchen)」は、小さなすみれの嘆きの歌だ。

羊飼いの娘が野原にやってくるのを見て、ちいさなすみれは憧れる。あのひとがわたしを摘んで胸に押しあててくれたら!
でも娘はすみれに気づかず踏みつけてしまった。
倒れてもすみれは喜んだ。あのひとに踏まれてその足元で死ぬんだもの・・・

この詩にモーツァルトが曲をつけている。
往年の歌姫エリザベート・シュヴァルツコップの歌で。


  
posted by Sachiko at 21:37 | Comment(0) |
2020年05月07日

錬金術の葉

夜のあいだに雨が降り、朝にはアルケミラ・モリスの葉っぱにまだ露が残っていた。

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葉っぱが細かな繊毛に覆われているので、露はころころと玉になって輝く。

アルケミラ属は、錬金術(アルケミア)を語源とする。
同属のアルケミラ・ウルガリスには薬効があり、レディースマントルという名で、主に女性に役立つハーブティーとして使われている。

和名はハゴロモグサ(羽衣草)という。レディーズマントル(聖母のマント)をそのまま訳したもののようだ。

また、葉っぱの上に溜まった朝露を治療に用いたのがフラワーエッセンスの起源とも言われている。

クルーニーの庭で、一緒にいた数人にその話をしたら、大きな葉っぱを傾けて露を飲んでいた...(エッセンスに使われるのもアルケミラ・ウルガリスのほうなのだが...)
クルーニーのアルケミラ・モリスは驚くほど大きかった。

フィンドホーン・フラワーエッセンスの〈レディーズマントル〉のキーノートは「気づき」で、心の深いところに光を当てて意識的になることを促す。

縁にギザギザのある、扇のような形の葉っぱが特徴的で、意外にもこれはバラ科なのだ。
聖母の名がついているとおり、全体の印象はなんとも優しい。

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〈さざめく露玉〉  https://fairyhillart.net

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posted by Sachiko at 22:11 | Comment(0) |
2020年04月27日

水仙

水仙が咲いてきた。

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早春のこの時期は、近所の庭も水仙の黄色一色だ。
子どもの頃、教科書だったか子供向けの図鑑だったか、「冬の花」という項目に水仙が載っていた。

冬の花?冬に花は咲かないよ。
一面真っ白に凍りついている冬に、花?
何とも不思議だった。

もう少し後になって、その種の本はほとんど関東標準で書かれていると知った
ここ数日の気温は東京の真冬並みだったので、冬の花と言われればそうなのだろう。


ワーズワースの「水仙」の一節((平井正穂訳)

 夜空にかかる天の川に浮かぶ
 燦めく星の群のように、水仙の花はきれめなく

雪の少ないイギリスでは、水仙は2月下旬から咲き出すらしい。
我が家の少しばかりの水仙は星の群とは程遠いけれど、黄色い花たちは光を放って見える。
  
posted by Sachiko at 21:59 | Comment(2) |