「まだここに住みたいんだけど、子供たちがダメっていうの」
と言っている。まあ子供たちとしては一人暮らしをさせておくのは心配ということだろう。
手入れをされなくなったアスパラ畑はあっという間に雑草に覆われ、どこにアスパラがあるのかわからなくなった。
それで、アスパラが植えられていないスペースを少し借りることにした。通りから見てきれいになるなら、花を植えてもいいと言ってくれている。
というわけでほんの少しばかり増えた庭。
雑草の根が絡まりあって大変なことになっていたのを何とか耕して、今日、株分けした苗を植えた。
それにしても雑草の威力はすごい。人の手が入らない土地だとパワーが増すようで、他の場所よりもずっと背が高くなるのだ。
もしも人間がいなくなったら、どれほどの巨大植物が地球を覆い尽くすのだろう。それともやはり人間の意識がなければ、地球はバランスを失ってしまうのか。
いや、まさにその人間がおかしくなったせいで地球は瀕死になっているのだけれど。
杏の木の幹も、すっかりヒルガオに覆われてしまった。
