2022年10月15日

庭を少しだけ

隣家のおばあちゃんが老人ホーム(介護付高齢者マンションのようなものかな)に入ってしまい、たまにしか戻ってこない。

「まだここに住みたいんだけど、子供たちがダメっていうの」

と言っている。まあ子供たちとしては一人暮らしをさせておくのは心配ということだろう。

手入れをされなくなったアスパラ畑はあっという間に雑草に覆われ、どこにアスパラがあるのかわからなくなった。

それで、アスパラが植えられていないスペースを少し借りることにした。通りから見てきれいになるなら、花を植えてもいいと言ってくれている。

というわけでほんの少しばかり増えた庭。
雑草の根が絡まりあって大変なことになっていたのを何とか耕して、今日、株分けした苗を植えた。

それにしても雑草の威力はすごい。人の手が入らない土地だとパワーが増すようで、他の場所よりもずっと背が高くなるのだ。

もしも人間がいなくなったら、どれほどの巨大植物が地球を覆い尽くすのだろう。それともやはり人間の意識がなければ、地球はバランスを失ってしまうのか。

いや、まさにその人間がおかしくなったせいで地球は瀕死になっているのだけれど。

杏の木の幹も、すっかりヒルガオに覆われてしまった。

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posted by Sachiko at 22:22 | Comment(2) |
2022年08月04日

クロコスミア

子供の頃、裏庭に濃いオレンジ色の花が咲いていた。
グラジオラスを小さくしたような花だと思っていたけれど名まえはわからなかった。

そして数年前、隣の畑の片隅にある木の陰で、この花がひっそり咲いているのを見つけた。見たのは子供の時以来で、今年の夏も咲いている。

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今は検索という手段がある。とりあえず“小さいグラジオラスのような花”で検索してみたら画像が出てきて、クロコスミアという名前だとわかった。


花にも流行があり、昔はどこの庭にもあったグラジオラスやダリアなどは、最近ではまったく見かけない。
調べてみると、どちらも球根を売っているところも少ないようだ。

グラジオラスもダリアもクロコスミアも、夏休みの頃に咲いていた記憶がある。

大型の夏の花といえば、子どもたちがコケコッコー花と呼んでいたホリホックは、今も道端に咲いているのを見かける。
こぼれ種でよく殖える花で、なぜか昔から電柱のそばに咲いていることが多い。

季節ごとの花は古い思い出をまとっている。環境の中に花があってよかった。
今度クロコスミアの球根を見つけたら買ってみよう。
   
posted by Sachiko at 21:54 | Comment(2) |
2021年08月03日

ニゲラ(クロタネソウ)

秋にすこしばかり種を蒔いたニゲラの花、別名love in a mist(霧の中の愛)と呼ばれる。

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この名前は、以前紹介した絵本「CARRIE HEPPLE'S GARDEN(カーリーおばさんのふしぎなにわ)」の中に出てくる。
繊細な緑色の葉のあいだで、青い花が霧の中に浮かんでいるように見えるのだ。

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この繊細な花が実になると、たくさんのツノが生えたような姿になり、今度はdevil in a bush(繁みの悪魔)という恐ろしげな別名を持つようになる。

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ふくらんだ莢の中には、名前の通り黒い種が入っている。

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霧のように見えるほど群生させたいけれど、スペースがない。
でも秋になったらまた今年採れた種を蒔いてみよう。
  
posted by Sachiko at 22:09 | Comment(2) |
2021年04月20日

つぼみの季節

今日は、今年最初のモンシロチョウと、小さなハナアブを見た。

冬のあいだどうしていたのだろう?と思う生きものたちが、春には確実に帰ってくる。

雪の下で眠っていた花たちも新梢を伸ばしはじめる。
新芽がふくらんでからつぼみが付くまではあっという間だ。


チューリップと遅咲きの水仙のつぼみ

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ライラックとブラックカラントのつぼみ

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ハスカップとグースベリーのつぼみ

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あるところにこんな、ある意味怖い話があった。
未来においては、道徳的な人が住んでいる家は生命力が豊かになり、その家にどういう花が咲いているかで、住人の道徳性が見分けられるようになる、と。(◎_◎;

そもそも未来には、その人間のすべては透けて見え、現在のようにごまかしが効かなくなるらしいのだ。
せめてこまめに庭の手入れをすることにしよう(-_-;

フィンドホーンの花や野菜があんなにも大きくて生き生きとしていたのは、未来を先取りしていたのか?
単に土壌の質とかいう話ではないだろう。元々が農業に適さない砂地だったのだから。


開花予想によれば、明日あたり桜が咲くことになっている。
花々がいっせいに咲く少し前のつぼみの季節、これもまた、短くも美しいひとときだ。
   
posted by Sachiko at 22:51 | Comment(2) |
2020年11月24日

バラの眠り

今朝はうっすらと雪が積もっていた。
これくらいの雪は、すぐに融けてしまうだろう。
冬囲いを終えて、バラたちは眠りについた。

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これはリルケの墓碑銘になっているという、薔薇の詩。


  薔薇 おお 純粋な矛盾

  よろこびよ
      
  このようにおびただしい瞼の奥で

  なにびとの眠りでもないという            

           (富士川英郎訳)

この詩人はバラのトゲを刺して死んだと言われている。
(実際には、バラのトゲを刺したのが元で破傷風になったとか。)


枝が細目のバラはこうして囲っておくが、何年も経ってがっしりした大株になったものは、雪の重さにも耐えるので冬囲いをしなくても大丈夫だ。

今週の予報は雪だるまマークが並んでいるけれど、まだ根雪にはなりそうもない。
例年ならクリスマス市場が始まる季節、今年はそれも中止になった。

そんな騒ぎなどよりはるかに大きな自然界の法則のもと、バラは眠り、雪は降る。
来週からアドベント♪
  
posted by Sachiko at 22:24 | Comment(0) |