2018年07月08日

セントジョンズワート

ヨハネ祭の時期に咲くことからこの名がついたという、セントジョンズワート(聖ヨハネ草)。

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和名はオトギリソウ、漢字で書くと弟切草で、なんだか物騒な名前だ。花びらをつぶすと赤い液が出てくるのと何か関係があるのだろうか...(怖)

庭では毎年、たいていヨハネ祭を少し過ぎた頃に、星型の輝くような黄色い花をつける。
太陽のハーブと呼ばれ、気持ちを明るくする効果があり、ハーブティーにして飲むと鬱症状に効くらしい。
クセがなく、ミントやレモンバームなどとミックスすると爽やかな感じだ。

イエスの半年前に生まれたバプテスマのヨハネの誕生日であるヨハネ祭は、夏のクリスマスと呼ばれているらしいけれど、まだあまりなじみがない。
以前あるところで尋ねたら、ヨハネ祭の祝い方はこれから作られていく、いわば未来のお祭だということだった。

この時期は他にも、ヤロウやメドウスイートやオレガノが大きな株になって育っているし、レモンバームとミントははびこり放題だ。ラベンダーはすっかり花が咲いて、蜂の楽園になっている。

気分というほかに名付けようもない、季節の気分というものが確かにある。北国の夏の気分は、もっと暑い地域とは違っているだろう。
私の夏の気分の象徴は、晴れた早朝に収穫したハーブの香りだと思う。
  

posted by Sachiko at 22:08 | Comment(2) | ハーブ
2018年07月06日

イラクサの話

この季節としてはあり得ないほどの長雨のあと、ようやく晴れた今日、バイオダイナミック農場から数種類の野菜とハーブが届いた。
その中にイラクサ(ネトル)もあった。ハーブティーでおなじみだけれど、生のネトルは初めて見る。

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イラクサというと、アンデルセンの「野の白鳥」を思い出す。
エリザ姫が、呪いで白鳥に変えられた11人の王子たちを救うために、イラクサの糸で鎖かたびらを編まなければならないのだ。

子どもの頃、イラクサがどんな草か知らなかったが、物語では、触ると火ぶくれになるほど痛い、と書かれていた。そんなイラクサを踏んで糸をとり、11枚も編まなくてはいけない。
アンデルセンの童話は、リアルに痛そうな描写が多い。人間の足を得た人魚姫は、ひとあし歩くたびにナイフを踏んで血が出るような思いをする、とか。

アンデルセンはけっこう怖かった。特に人魚姫は。
魔女を訪ねる途中、骸骨やらなにやらが海藻に引っかかっていたり、薬を作るために魔女が自分の胸をかきむしって黒い血がしたたり落ちる、など、かなりホラーなのだ。
それで、人魚姫を読み返したのは大人になってからだった。(子供の頃一番好きだったのは「眠りの精オーレ・ルゲイエ」)

そのあたりが、メルヒェンと創作童話の違いだろうか。
グリムのメルヒェンでも、やたら手を切られたり首を切られたりするけれど、「首が落ちました」というだけで、それ以上生々しい描写はない。


調べたら、イラクサは、生食したりフレッシュハーブティーにはしないように、ということだった。素手で触ってはいけないのだろうと思い、ポリ手袋をして束ねて吊るしておいた。
花粉症などのアレルギーに効くほか、ビタミンやミネラルが豊富なので、健康増進にいいらしい。

※バイオダイナミック農法:
シュタイナーが提唱した自然農法。地球だけでなく、月や惑星の運行の影響を考慮し、農作業や堆肥作りなどを行う。
 
posted by Sachiko at 22:40 | Comment(2) | ハーブ
2018年06月28日

ラベンダーブルー

ラベンダーは青い ディリ ディリ ラベンダーは緑

ぼくが王様なら ディリ ディリ きみはお妃さま....
(マザーグースより)


この歌を昔、イギリスの女性歌手の声で聴いたことがある。とても古い時代の歌のような(実際古い民謡らしい)シンプルな美しいメロディだった。

ラベンダーのつぼみがふくらんできて摘み頃なのに、曇りや雨続きで収穫できないでいる。2,3日晴天が続いた日の早朝が、一番精油成分が多いのだ。
収穫して余分な葉や茎を取るとき、強いラベンダーの香りが漂う。小さな束を作って部屋に吊るして乾かし、これもバスハーブとして使う。

映画「西の魔女が死んだ」の中で、イギリス人のおばあちゃんがラベンダーの茂みの上にシーツを拡げて干し、香りを移すというシーンがあった。
マネしたくなったが、排気ガスをかぶりそうな場所ではやらないほうがいいだろうし、我が家のラベンダーの茂みはシーツを拡げられるほど大きくない。

香りづけとは別に、昔は日光で漂白するために洗濯物を拡げる、漂白用芝生というのが村にはあったそうだ。(イギリスに、漂白するほどの日照量があったのか?という疑問がふと浮かんだけれど。)

西の魔女は、昔風の服装で、ハーブをたくさん植えて、お茶の時間を楽しんだりしていた。あのゆっくりした時間が流れる暮らし(これはまた別の項で書こうと思うけれど、多くの言語で「暮らし」と「いのち」は同じ言葉だ)、憧れのターシャ・テューダーやルーシー・M・ボストンに似ている。
どうも私はこういうおばあちゃんが好きなのだ....
  
posted by Sachiko at 22:10 | Comment(4) | ハーブ
2018年06月26日

アポテカリ―ローズ

原種のバラのひとつ、ロサ・ガリカという種類は、古代から薬用として用いられていたそうだ。

アポテカリ―ローズ(薬局のバラ)と呼ばれるガリカ種の苗を手に入れたのは何年前だったか...去年あたりから、やっとたくさん花をつけるようになった。

原種らしく、細い棘がいっぱいなので気をつけなくてはいけない。
花も棘の感じも、ハマナスに似ている。ハマナスはガリカ種ではないけれど、やはり昔は薬用に使われていたという。
ハマナスは、アイヌ民族と薬草について書かれた本にも載っていた。花ではなく根を煎じて飲んでいたようだ。

きれいなピンクの花は、とてもいい香りがする。
私は、花びらをドライにしたものをバスポプリとして使っている。

このアポテカリ―ローズという名前、ドイツの街角で多く目についたApotheke(薬局)の看板を思い出す。遠い昔の話だけれど...

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posted by Sachiko at 21:36 | Comment(2) | ハーブ
2018年06月22日

パセリ、セージ、ローズマリー&タイム

パセリ、セージ、ローズマリーにタイム♪
何年も鉢に植えっぱなしだったローズマリーは、今年花が咲いた。パセリも越冬パセリだし、このセージは何年経つだろう...

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マザーグースの歌にある、こんなフレーズ...


 僕に作ってくれるかい 麻のシャツ
 パセリ、セージ、ローズマリーにタイム

 縫い目や針の跡もなく
 そうしたら君は 僕のまことの恋人


元は、妖精の騎士が人間の娘に無理難題をふっかけるという古い伝説で、いくつかのバリエーションがあるらしい。

マザーグースを最初に知ったのは、これも中学生の頃だったか、父が持っていた何かの雑誌に、幾つかの断片が載っていたのだ。


 僕は小さな栗の木をもっていた
 実はひとつもならなかったけど
 銀のナツメグと 金の梨がなった


それまで知らなかったとても不思議で魅力的な世界を見た気がして、不思議が大好きな私はその後しばらくハマっていた。

パセリ、セージ、ローズマリーにタイム、というフレーズも、古くからある市場のハーブ売りの呼び声だそうだけれど、妖精や魔物に対する魔除けの呪文という説もある。
ハーブの持つ独特の香りや薬効は、それ自体が魔力と言えそうだ。
夏至の時期は、ハーブが最も香り高いという。
      
posted by Sachiko at 21:52 | Comment(2) | ハーブ