2018年08月08日

ナスタチウム

昔は“キンレンカ(金蓮花)”という名前で呼ばれ、わりとどこの庭先でもよく見かける花だった。

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毎年種から育てているが、発芽率があまり高くないので、あちこちに1個ずつ種を埋めて、どれか芽を出せばいいや、と思っている。
するとたいてい忘れた頃に、どこかでひっそり育っていたりする。

映画「西の魔女が死んだ」で、主人公のまいが、おばあちゃんからナスタチウムを摘んでくるように言われるが、少女はナスタチウムがすこし苦手だ。

たしかに、ワサビのようなピリッとした風味は大人の味だ。花にも独特の風味があり、エディブルフラワーとしてサラダなどに添える。
いずれにしても、サラダに添えるのは葉っぱ1〜2枚、花は1輪、それ以上だとこの風味は少々強すぎる。

ナスタチウムの花は色鮮やかで、花の少なくなる夏には目を引くアクセントになる。ビタミンCやミネラル豊富で薬効もあるらしい。観賞用、食用、薬用と、楽しい万能ハーブなのだ。

たくさんのハーブが植えられた西の魔女の庭は、どこかしら不思議な雰囲気がただよっていた。ハーブにはやはり密やかな魔力がある.....
  
posted by Sachiko at 22:11 | Comment(2) | ハーブ
2018年07月15日

エルダー

今年のエルダー(ニワトコ)の花は長雨の中で散ってしまったので、写真は去年のものだ(これはまだ咲きかけのつぼみ)。

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地植えだと大木になるそうなので鉢植えにしてある。
エルダーのドイツ名ホルンダーは、グリムのメルヒェンに出てくる「ホレおばさん」の名前から採られたとか(それともホレおばさんの名前がホルンダーからとられたのだったか...?)。
ホレおばさんの原型は、地母神的な豊穣の女神だったらしい。

ホレおばさんは、私が子どもの頃一番好きだったグリム童話で、何度もくりかえし読んだ。
ホレおばさんが羽根ぶとんをふるうと、下界では雪が降る。ヒロインは井戸に飛び込んでホレおばさんのいる世界へ行ったのに、地下ではなく天上になっているようなのが不思議だった。

精霊が棲むので枝を切ると祟るなど、メルヒェン以外にもこの木には伝説が多い。
イエスが磔にされた十字架も、ユダが首を吊ったのも、ニワトコの木だと言われる。

アンデルセンの童話には「ニワトコおばさん」というお話がある。
ニワトコのお茶を飲んでお話を聞いた男の子が、ニワトコおばさんが姿を変えた少女といっしょに美しい旅をする話だ。男の子にお話を聞かせた独り者のおじいさんは、アンデルセン自身を連想させる。
ひとつの木、ひとつの花の背後に、たくさんの言い伝えや物語がある豊かさ!

エルダーフラワーのハーブティーは風邪などに効き、香りのいい花から作るシロップはとてもおいしいという。一度作りたいと思っているけれど、小さな鉢植えではまだシロップを作れるほどたくさんの花が咲かないのだ。
 
posted by Sachiko at 21:48 | Comment(2) | ハーブ
2018年07月08日

セントジョンズワート

ヨハネ祭の時期に咲くことからこの名がついたという、セントジョンズワート(聖ヨハネ草)。

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和名はオトギリソウ、漢字で書くと弟切草で、なんだか物騒な名前だ。花びらをつぶすと赤い液が出てくるのと何か関係があるのだろうか...(怖)

庭では毎年、たいていヨハネ祭を少し過ぎた頃に、星型の輝くような黄色い花をつける。
太陽のハーブと呼ばれ、気持ちを明るくする効果があり、ハーブティーにして飲むと鬱症状に効くらしい。
クセがなく、ミントやレモンバームなどとミックスすると爽やかな感じだ。

イエスの半年前に生まれたバプテスマのヨハネの誕生日であるヨハネ祭は、夏のクリスマスと呼ばれているらしいけれど、まだあまりなじみがない。
以前あるところで尋ねたら、ヨハネ祭の祝い方はこれから作られていく、いわば未来のお祭だということだった。

この時期は他にも、ヤロウやメドウスイートやオレガノが大きな株になって育っているし、レモンバームとミントははびこり放題だ。ラベンダーはすっかり花が咲いて、蜂の楽園になっている。

気分というほかに名付けようもない、季節の気分というものが確かにある。北国の夏の気分は、もっと暑い地域とは違っているだろう。
私の夏の気分の象徴は、晴れた早朝に収穫したハーブの香りだと思う。
  

posted by Sachiko at 22:08 | Comment(2) | ハーブ
2018年07月06日

イラクサの話

この季節としてはあり得ないほどの長雨のあと、ようやく晴れた今日、バイオダイナミック農場から数種類の野菜とハーブが届いた。
その中にイラクサ(ネトル)もあった。ハーブティーでおなじみだけれど、生のネトルは初めて見る。

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イラクサというと、アンデルセンの「野の白鳥」を思い出す。
エリザ姫が、呪いで白鳥に変えられた11人の王子たちを救うために、イラクサの糸で鎖かたびらを編まなければならないのだ。

子どもの頃、イラクサがどんな草か知らなかったが、物語では、触ると火ぶくれになるほど痛い、と書かれていた。そんなイラクサを踏んで糸をとり、11枚も編まなくてはいけない。
アンデルセンの童話は、リアルに痛そうな描写が多い。人間の足を得た人魚姫は、ひとあし歩くたびにナイフを踏んで血が出るような思いをする、とか。

アンデルセンはけっこう怖かった。特に人魚姫は。
魔女を訪ねる途中、骸骨やらなにやらが海藻に引っかかっていたり、薬を作るために魔女が自分の胸をかきむしって黒い血がしたたり落ちる、など、かなりホラーなのだ。
それで、人魚姫を読み返したのは大人になってからだった。(子供の頃一番好きだったのは「眠りの精オーレ・ルゲイエ」)

そのあたりが、メルヒェンと創作童話の違いだろうか。
グリムのメルヒェンでも、やたら手を切られたり首を切られたりするけれど、「首が落ちました」というだけで、それ以上生々しい描写はない。


調べたら、イラクサは、生食したりフレッシュハーブティーにはしないように、ということだった。素手で触ってはいけないのだろうと思い、ポリ手袋をして束ねて吊るしておいた。
花粉症などのアレルギーに効くほか、ビタミンやミネラルが豊富なので、健康増進にいいらしい。

※バイオダイナミック農法:
シュタイナーが提唱した自然農法。地球だけでなく、月や惑星の運行の影響を考慮し、農作業や堆肥作りなどを行う。
 
posted by Sachiko at 22:40 | Comment(2) | ハーブ
2018年06月28日

ラベンダーブルー

ラベンダーは青い ディリ ディリ ラベンダーは緑

ぼくが王様なら ディリ ディリ きみはお妃さま....
(マザーグースより)


この歌を昔、イギリスの女性歌手の声で聴いたことがある。とても古い時代の歌のような(実際古い民謡らしい)シンプルな美しいメロディだった。

ラベンダーのつぼみがふくらんできて摘み頃なのに、曇りや雨続きで収穫できないでいる。2,3日晴天が続いた日の早朝が、一番精油成分が多いのだ。
収穫して余分な葉や茎を取るとき、強いラベンダーの香りが漂う。小さな束を作って部屋に吊るして乾かし、これもバスハーブとして使う。

映画「西の魔女が死んだ」の中で、イギリス人のおばあちゃんがラベンダーの茂みの上にシーツを拡げて干し、香りを移すというシーンがあった。
マネしたくなったが、排気ガスをかぶりそうな場所ではやらないほうがいいだろうし、我が家のラベンダーの茂みはシーツを拡げられるほど大きくない。

香りづけとは別に、昔は日光で漂白するために洗濯物を拡げる、漂白用芝生というのが村にはあったそうだ。(イギリスに、漂白するほどの日照量があったのか?という疑問がふと浮かんだけれど。)

西の魔女は、昔風の服装で、ハーブをたくさん植えて、お茶の時間を楽しんだりしていた。あのゆっくりした時間が流れる暮らし(これはまた別の項で書こうと思うけれど、多くの言語で「暮らし」と「いのち」は同じ言葉だ)、憧れのターシャ・テューダーやルーシー・M・ボストンに似ている。
どうも私はこういうおばあちゃんが好きなのだ....
  
posted by Sachiko at 22:10 | Comment(4) | ハーブ