2019年10月01日

ケンタウロスの花

昔からおなじみの花、ヤグルマギク。
別名をコーンフラワーというのは、穀物畑によく生えていたからだとか。

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白やピンクなどいろいろな色があるが、中でもやはりこの青は美しい。
昔からどこにでもあり、ほとんど雑草に近い花に思えるが、ドイツの国花はこのヤグルマギクだ。

学名はセントーレア(Centaurea)という。ケンタウロス(Centaurus)に由来する名前だ。

ケンタウロス族の中で、ケイローンと呼ばれるケンタウロスは、芸術や医術に優れた、賢く善良なケンタウロスだった。
このケイローンが負傷したときに、ヤグルマギクの花によって傷を癒した。

屈強なケンタウロスと小さなヤグルマギクの花がどこでつながるのかと思ったら、そんな話があったのだ。

確かにヤグルマギクはハーブ事典にも載っていて、花の浸出液には収れんや消炎の作用があり、古くから傷薬として使われていたという。

花は、エディブルフラワーとしてサラダに添えることもできる。青い花を夏のサラダに散らしたら美しいだろうと思う。

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この記事はどのカテゴリに入るのだろう...神話か庭かハーブか...
とりあえずハーブに入れておきました。
  
posted by Sachiko at 22:11 | Comment(2) | ハーブ
2019年07月09日

ハーブ摘み

ハーブを摘むには、晴れた日が数日続いたあとの早朝がいい。気温も湿度も高すぎず、朝夕は涼しく、快晴...と、やっと夏らしい日が続いている。

精油成分がもっとも多いのは日の出前ということだが、今の時期、日の出は4時頃なのでその前に摘むのは無理があるが...

たまたま5時に起きてしまったので、ハーブ摘みをしようと外に出た。
早朝の風は草の香りを含んで涼しい。

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勝手に生い茂っているミント、こぼれ種で殖えて雑草状態のレモンバーム、トマトソースに欠かせないオレガノ。

セントジョンズワート、メドウスイート、ヤロウ、ローズマリーにタイム...

摘みたてのハーブの香りが部屋に満ちる。
吊るしてドライにして保存するが、生のミントやレモンバームで淹れるフレッシュハーブティーも、この季節ならではの味だ。

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花の香りはもちろんすばらしいけれど、私はそれ以上にグリーン系の香りが好きだ。
ハーブの香り、森の香り、何ということのない草を刈ったあとの香り...

古い時代の賢女たちは、植物の香りから、薬効や呪術的なはたらきさえも聴き取ったのだろう。
そう思うと、日本語の「香りを聴く」という言葉は深い。
  
posted by Sachiko at 21:25 | Comment(2) | ハーブ
2018年09月11日

ディル

ディルが種をつけている。
いちど植えれば、こうしてこぼれ種で育ってくれる。

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私はディルが好きなので欠かせないハーブなのだ。
葉は魚と相性がよく、サーモン料理によく使う。スモークサーモンに添えるとおいしい。種はピクルスの香りづけに入れたりする。

ディルとそっくりなハーブに、フェンネルがある。葉っぱや花はそっくりで、種のほうが見分けやすい。たぶん互いに代用できるのだろうけれど、私はディルの爽やかな香りのほうが好きだ。

古い時代には香草は高価で、税として納められていたそうで、新約聖書にも記述がある。

「・・・パリサイ人。おまえたちは、はっか、いのんど、クミンなどの十分の一を納めているが、律法の中ではるかに重要なもの、正義とあわれみと誠実を、おろそかにしている」(マタイ福音書23-23)

ここに書かれている「いのんど」が、ディルのことだ。
(どうやって納めたのだろう。生では難しそうなので、ドライか種子かな....)

植物の香りは不思議だ。例外はあるもののたいていは心地よい。
木の香り、草の香り、花の香り、ハーブの香り....それぞれが独特な方法でどこかの異世界につながっているようだ。

ハーブの独特の香りには、薬効のしるしだけでなく、とてもたくさんのことが隠されている気がする。
古代の賢者たちはきっと、成分分析などしなくても、それぞれの植物から直接その知恵を受け取ることができたのだろう....

ドロシー・マクレーンのように、いつか植物たちと交信する能力を身に着けられたらいいと思う。
 
posted by Sachiko at 21:32 | Comment(2) | ハーブ
2018年08月08日

ナスタチウム

昔は“キンレンカ(金蓮花)”という名前で呼ばれ、わりとどこの庭先でもよく見かける花だった。

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毎年種から育てているが、発芽率があまり高くないので、あちこちに1個ずつ種を埋めて、どれか芽を出せばいいや、と思っている。
するとたいてい忘れた頃に、どこかでひっそり育っていたりする。

映画「西の魔女が死んだ」で、主人公のまいが、おばあちゃんからナスタチウムを摘んでくるように言われるが、少女はナスタチウムがすこし苦手だ。

たしかに、ワサビのようなピリッとした風味は大人の味だ。花にも独特の風味があり、エディブルフラワーとしてサラダなどに添える。
いずれにしても、サラダに添えるのは葉っぱ1〜2枚、花は1輪、それ以上だとこの風味は少々強すぎる。

ナスタチウムの花は色鮮やかで、花の少なくなる夏には目を引くアクセントになる。ビタミンCやミネラル豊富で薬効もあるらしい。観賞用、食用、薬用と、楽しい万能ハーブなのだ。

たくさんのハーブが植えられた西の魔女の庭は、どこかしら不思議な雰囲気がただよっていた。ハーブにはやはり密やかな魔力がある.....
  
posted by Sachiko at 22:11 | Comment(2) | ハーブ
2018年07月15日

エルダー

今年のエルダー(ニワトコ)の花は長雨の中で散ってしまったので、写真は去年のものだ(これはまだ咲きかけのつぼみ)。

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地植えだと大木になるそうなので鉢植えにしてある。
エルダーのドイツ名ホルンダーは、グリムのメルヒェンに出てくる「ホレおばさん」の名前から採られたとか(それともホレおばさんの名前がホルンダーからとられたのだったか...?)。
ホレおばさんの原型は、地母神的な豊穣の女神だったらしい。

ホレおばさんは、私が子どもの頃一番好きだったグリム童話で、何度もくりかえし読んだ。
ホレおばさんが羽根ぶとんをふるうと、下界では雪が降る。ヒロインは井戸に飛び込んでホレおばさんのいる世界へ行ったのに、地下ではなく天上になっているようなのが不思議だった。

精霊が棲むので枝を切ると祟るなど、メルヒェン以外にもこの木には伝説が多い。
イエスが磔にされた十字架も、ユダが首を吊ったのも、ニワトコの木だと言われる。

アンデルセンの童話には「ニワトコおばさん」というお話がある。
ニワトコのお茶を飲んでお話を聞いた男の子が、ニワトコおばさんが姿を変えた少女といっしょに美しい旅をする話だ。男の子にお話を聞かせた独り者のおじいさんは、アンデルセン自身を連想させる。
ひとつの木、ひとつの花の背後に、たくさんの言い伝えや物語がある豊かさ!

エルダーフラワーのハーブティーは風邪などに効き、香りのいい花から作るシロップはとてもおいしいという。一度作りたいと思っているけれど、小さな鉢植えではまだシロップを作れるほどたくさんの花が咲かないのだ。
 
posted by Sachiko at 21:48 | Comment(2) | ハーブ