2023年01月19日

エキナセア

少しばかり喉の痛みを感じて、風邪かな...熱はないし、例のヤツではなさそうだ。とりあえず喉に効くエキナセアのお茶を飲んでおこうと思った。

数回飲んで痛みは軽くなり、ほとんど気にならないほどだが、ハーブにそれほどの即効性はないはずだ。
最初から大したことではなかったのだろう。

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一頃は30種類ほどのハーブを植えていた。
その後、薬用ハーブはプロが栽培したもののほうがいいのかもしれないと思ったので、今は半分くらいに減っている。

最近、やはり作物はなるべく自分の近くで採れたものがその人の栄養になるのだという話を聞いた。自分のところに届くまでのプロセスが多いほど、栄養は少なくなるのだとか。

たしかに昔から、身土不二という言葉がある。単に輸送に時間がかかって鮮度が落ちるというだけの話ではないらしい。

自分の畑で収穫してすぐ食べるのが一番だ。
野菜もハーブも、自分を育ててくれた人の役に立ちたいのだ。

そうして自分や家族のための薬草園を管理していた女性たちが、あるとき魔女にされてしまった....と、想像が遠くへ飛んでいく。

土地がなければベランダでも、鉢植えのハーブは育てられる。
パセリやタイムなど、料理用ハーブを少しばかり植えて、必用な時に摘んで使う。
そんな日常が、“自分自身の”暮らしになる。

真夏に咲くエキナセアやセントジョンズワート(冬場の鬱に効く)が、真冬に活躍することも、自然の素敵な采配だ。
  
posted by Sachiko at 22:41 | Comment(6) | ハーブ
2020年07月08日

メドウスイート

メドウスイート(meadowsweet)、和名はセイヨウナツユキソウ。

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メドウスイートはその名の通り甘い香りがして、飲み物の香りづけに使われる。
白い泡のように見える花は、やはり飲み物に使われるエルダーの花にも似ている。

ハーブとしての薬効は、抗炎症作用や鎮痛作用があり、イギリスではかつてヘッジロー(生垣)のハーブとして定番だったという。

昔の人々にとって、夏に草地で出会う輝くような白い花と甘い香りは嬉しかったことだろう。

我が家のものは草丈1.6メートルほどになり、大小さまざまな蜂がやって来ている。
蜂たちもこの花が大好きだ。
  
posted by Sachiko at 20:54 | Comment(0) | ハーブ
2020年06月14日

チャイブ

ハーブが旺盛に育つ季節になってきた。
チャイブはもう花が咲いている。

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ネギ科のチャイブは、スープの仕上げに散らしたりするが、いわば万能ネギで、アサツキの代わりに和食の薬味としても使える。

バラの病気予防のコンパニオンプランツとして知られ、我が家でもバラの株元に植えてある。
ピンクの花も、観賞用にされたり、魔除けとして窓辺に吊るしたりしていたそうだ。

この季節には、チャービルやイタリアンパセリ、ディル、フレンチタラゴンなどといっしょに細かく刻んで柔らかくしたバターに混ぜ、ハーブバターを作る。
それに、すりおろしたニンニクをティースプーンの先にほんの少し(ニンニクは入れすぎ禁物)。

ライ麦パンや全粒粉入りのカンパーニュなど、シンプルなハードブレッドによく合う。
ハーブバターはドライハーブでも作れるが、やはりフレッシュがいい。

大抵のものは一年中手に入る時代だけれど、その季節ならではのものには特別な力がある。
フレッシュハーブが香る6月は、妖精たちも喜びにあふれて仕事にいそしんでいるはずだ。
  
posted by Sachiko at 22:41 | Comment(0) | ハーブ
2019年10月01日

ケンタウロスの花

昔からおなじみの花、ヤグルマギク。
別名をコーンフラワーというのは、穀物畑によく生えていたからだとか。

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白やピンクなどいろいろな色があるが、中でもやはりこの青は美しい。
昔からどこにでもあり、ほとんど雑草に近い花に思えるが、ドイツの国花はこのヤグルマギクだ。

学名はセントーレア(Centaurea)という。ケンタウロス(Centaurus)に由来する名前だ。

ケンタウロス族の中で、ケイローンと呼ばれるケンタウロスは、芸術や医術に優れた、賢く善良なケンタウロスだった。
このケイローンが負傷したときに、ヤグルマギクの花によって傷を癒した。

屈強なケンタウロスと小さなヤグルマギクの花がどこでつながるのかと思ったら、そんな話があったのだ。

確かにヤグルマギクはハーブ事典にも載っていて、花の浸出液には収れんや消炎の作用があり、古くから傷薬として使われていたという。

花は、エディブルフラワーとしてサラダに添えることもできる。青い花を夏のサラダに散らしたら美しいだろうと思う。

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この記事はどのカテゴリに入るのだろう...神話か庭かハーブか...
とりあえずハーブに入れておきました。
  
posted by Sachiko at 22:11 | Comment(2) | ハーブ
2019年07月09日

ハーブ摘み

ハーブを摘むには、晴れた日が数日続いたあとの早朝がいい。気温も湿度も高すぎず、朝夕は涼しく、快晴...と、やっと夏らしい日が続いている。

精油成分がもっとも多いのは日の出前ということだが、今の時期、日の出は4時頃なのでその前に摘むのは無理があるが...

たまたま5時に起きてしまったので、ハーブ摘みをしようと外に出た。
早朝の風は草の香りを含んで涼しい。

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勝手に生い茂っているミント、こぼれ種で殖えて雑草状態のレモンバーム、トマトソースに欠かせないオレガノ。

セントジョンズワート、メドウスイート、ヤロウ、ローズマリーにタイム...

摘みたてのハーブの香りが部屋に満ちる。
吊るしてドライにして保存するが、生のミントやレモンバームで淹れるフレッシュハーブティーも、この季節ならではの味だ。

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花の香りはもちろんすばらしいけれど、私はそれ以上にグリーン系の香りが好きだ。
ハーブの香り、森の香り、何ということのない草を刈ったあとの香り...

古い時代の賢女たちは、植物の香りから、薬効や呪術的なはたらきさえも聴き取ったのだろう。
そう思うと、日本語の「香りを聴く」という言葉は深い。
  
posted by Sachiko at 21:25 | Comment(2) | ハーブ