2019年08月13日

「OLD CRAFTS」

9つの古い手仕事の世界を紹介している絵本。

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「時計職人」
職人は、特別な眼鏡をかけ、髪の毛ほど細かったり砂粒ほど小さな部品を扱って時計を修理しています。
この複雑な仕事には、安定した手の働きと、よい視力、そして多くの忍耐が必要です。

「人形のお医者さん」
人形のお医者さんは、壊れたり傷んだ人形を治します。
目や唇に色を塗ったり、まつ毛を植えたり、髪の毛もたくさんの色が用意されていて、病院を出るときには、人形は新品同様です。

「鍛冶屋」
熱く焼かれた鉄は白く光って柔らかくなっています。これをハンマーで叩いて鋭くし、また冷まします。
鉄の門扉はレースのように繊細な模様ですが、三人がかりで運ぶほど重いのです。

「靴職人」
かかとがすり減ったり、底がはがれたり、縫い目がほどけたりしたたくさんの靴を、靴職人たちが修理します。
靴の山の中からぴったりのもう片方をどうやって見つけるのか不思議に思うかもしれませんが、時々すこしばかりの運が役立ってくれます。

「菓子職人」
菓子職人が作るお菓子たちは、おいしいだけでなく見た目にも美しいのです。デコレーションはすべて手作業で、多くの技が必要です。
お菓子作りにはとてもたくさんの道具が必要ですが、作業場はいつも清潔に保たれています。

「家具職人」
職人は必要な大きさに板を切り出し、カンナをかけて滑らかにします。くるくる巻いたカンナくずが床に溜まっていきます。それから板を張り合わせ、乾かします。
職人はお爺さんの代から作られている家具に最後の仕上げを施しています。

「造花つくり」
この店の花は、サテンやシルクで作られています。これらの花をアレンジするには高度の技術が必要です。
砂糖菓子やアーモンドにスパイスで香りづけした花束は、いい香りがして、食べることができます。

「ろうそく職人」
この仕事は一見簡単そうに見えるかもしれませんが、実は多くの知識と技が必要です。作り方には、芯糸に溶かしたロウをかけていく方法と、型に流し込む方法があります。
特別なロウソクの場合は、ロウを模様の型に薄く流したものを、出来あがったろうそくに巻きつけて飾ります。

「洗濯屋」
ここではすべて手洗いで、大釜では一日中石鹸水が煮えたぎっています。洗濯物は、浸され、洗われ、こすられて、輝くようにきれいになります。
古風な洗濯場はいつも湯気でいっぱいで、水は壁や床に流れています。
女性たちはこのきつい仕事を徹底的にこなしていきます。

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ここに描かれている仕事の中には、今はなくなってしまったものもあり、とても数が少なくなっているものもある。

古い手仕事には、現代の「ビジネス」や「勤務」とは違った有機的な感触がある。「わたしの暮らし」「わたしのいのち」と離れていない、自分自身の仕事。
人々にとって、自分自身である喜びと誇らしさがある仕事は嬉しい。

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ブログは明日から数日お盆休みをいただきますm(_ _)m
    
posted by Sachiko at 22:47 | Comment(2) | 絵本
2019年07月18日

「The Lost Words」

「The Lost Words」(ロバート・マクファーレン ジャッキー・モリス)

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----あるときから、子どもたちの言語から言葉が消えはじめました...
はじめは誰も気づかないうちにそっと消えてゆき、やがてある日、それらはなくなっていました....

しかし、欠けたものを見つけ、消えたものを呼び戻すための古い魔法があります。正しい呪文が唱えられたら、失われた言葉は戻ってくるかもしれません----


失われたのは、子どもたちの周りの自然界に関する言葉だった。
それも、そう珍しいものではなく、かつてはごく普通に身近に見ることができたはずのものたち....
こんなものまで失われてしまったのか?と思う。

ドングリ、ブルーベル、シダ、タンポポ、ヤナギ、ツタ....

だが...私が子どもの頃には、すでにこれらの言葉はそっと消え始めていた。
約27p×38pのこの大型本には、植物だけでなく鳥や小動物の名前も出てくるのだが、地域が違うということを考慮しても、都心に近いところに住んでいた私は、野鳥や野生動物は身近に見たことがなかった。

ヒバリ、カワセミ、ムクドリ....

カエルの卵やオタマジャクシも、かろうじて遠足に行った先で見たことがあるだけだ。


この本では、失われた言葉を取り戻すために、それぞれの名を冠した詩(正しい呪文)と、美しい絵が描かれている。
そして、読んでいるうちに、失われたのはここに出てくる生きものの名前だけではないことに気づく。

朝露、夕焼け、陽だまり、木陰....
三日月、半月、一番星....
うろこ雲、入道雲、霧雨、夕立....

こうした言葉は今、子どもたちの生活の中にあるだろうか。
人々がもっと自然に近いところに暮らしていた時代には、空模様を読むことや月のフェイズを見ること、動植物の名前を知っていることはあたりまえだったはずだ。

失われた言葉に気づくとき、それらへの関心が戻ってくる。意識を向けられたものはこの世界に居場所を持つようになる。ここにある詩や絵は、その場所へ導く小道のようだ。

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posted by Sachiko at 22:38 | Comment(2) | 絵本
2019年07月07日

「魔女の庭」

「魔女の庭」
これも、魔女だと噂されるおばあさんと子どもたちのお話。

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大きな庭のあるその家の前を通るたび、子どもたちは「あの家には魔女がいるんだよ」とささやきあいました。

ある日みんなは、怪獣に変装して魔女をおどかそうと、庭に入りこみました。

「だれだい?」顔がのぞくとみんなは「魔女だっ!」と叫んで庭へ散っていきました。

おばあさんは笑って「中へおはいり」と言いました。そんなに怖い人ではなさそうです。

「なんて、たのしいんだろう」と、おばあさんはたくさんのパンケーキを焼き、子どもたちはすきなだけシロップをかけて食べました。

それからみんなは庭に出て、池のそばの木の下にすわりました。おばあさんは、ここには妖精が住んでいるのだと言います。

「妖精なんて、ほんとはいないんだよ」
「見たことがない人はそう言うがね。いちどでも見たことがある人は、知っているのさ」

おばあさんは少女のころ、夏の夜にこの池のほとりで、妖精たちのお祭りを見たそうです。

みんなはそれからブナの木の下へ行き、手を取りあって木のまわりを踊りまわりました。家に戻るとき、なんだかもっとたくさんの人たちがいっしょにいるような気がしました。

おばあさんが歌いだすと、いつのまにかそこに小さな男の人が立っていました。
「この人は、ワラ=クリスタラさんだよ」
クリスタラさんは、どんな家にも小人はいるのに、気にかけてもらえないと嘆きました。

子どもたちはもっといろいろ聞こうとしたのですが、とつぜん、小人の姿は消えてしまいました。

「どこの家にも小人がいるって、ほんとう?」
「おまえさんたちは自分の耳で聞いたろう?」

子どもたちはみんな、自分の家の小人たちのために何かしてやりたくなって、おばあさんにお礼を言いながら大急ぎでかけだしました。

いちばん年上のヤコブが、怪獣に変装したときの道具を取りに戻ってきて、思いました。
「もしかしたらおばあさんは、ぼくたちに魔法をかけたのかしら...」

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昨日のカーリーおばさんもそうだが、身近な不思議を大切に思うことや、想像力という魔法を使えるおばあさんは素敵だ。
これは私の絵本コレクションの中でもお気に入りの1冊で、緻密で繊細な絵が美しい。

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posted by Sachiko at 21:42 | Comment(2) | 絵本
2019年07月06日

「CARRIE HEPPLE'S GARDEN(カーリーおばさんのふしぎなにわ)」

これも、夏の夕刻の不思議な雰囲気がただよう物語。
「カーリーおばさんのふしぎなにわ」というタイトルで日本語版が出ていたことがあるが、絶版になってしまった。

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復刊COMにリクエストしたあとで、あまり状態のよくない英語版の古本をなんとか手に入れたが、これももう見つかりにくい。
アイリーン・ハースの絵がとても美しく、独特の雰囲気のある絵本なので、復刊を願う。
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夏の夕方、みんなは芝生でボール遊びをしていましたが、ボールは壁をこえてカーリーおばさんの庭へ入ってしまいました。

夜遅くにジャングルのような庭にいる、もじゃもじゃ髪のカーリーおばさんが、みんなはすこし怖いのです。

一番小さい勇敢な子が、板の割れ目から庭に入り、みんなも続きました。
ボールを見つけて取ろうとしたとき、カーリーおばさんの靴が見えました。

「あんたたちはここで何をしているの?」
「わたしたち、ボールをとりにきたんです。それだけです」

カーリーおばさんは言いました。
「さて、あんたがたはもうこっちに来たんだから、不思議なことのひとつやふたつ、見せてやってもいいだろう」

不思議なこととは何でしょう?
みんなはおばさんについて行きましたが、そこには鉢植えのナスタチウムがあるだけです。

そしておばさんは話しました。
「これは私には不思議なのさ、そしてきっとみんなにもね。
ナスタチウムの種は、1582年にペルーからイギリスの庭にやってきたんだよ」

「さあ、よく見なさい!」
みんなは庭をまわると、魔法のような光景を見ました。青い星のまわりを、緑いろの霧が立ちのぼっています。

緑いろの葉っぱがやさしく青い花を抱いている、ニゲラ(クロタネソウ)の花です。
「これの名前は「霧の中の愛」というんだよ。緑いろは霧、そして愛は青」

陽が沈み、風が吹き始めました。
カーリーおばさんは言いました。
「みんな、もう行きなさい。でもその前に何か食べなきゃね」

つぼから出てきたのは、スパイスの香りがする特別なパンです。
「わたしは楽しいときにこれを作るのさ。いい子たち、さあ行きなさい」

「さようなら、ありがとう、カーリーおばさん」

芝生に戻ったみんなは、ボールを忘れてきたことに気がつきました。

「眼鏡に気をおつけ!(※子どもたちのひとりは眼鏡をかけている)」壁の向こうから声がして、ボールが高く飛んで返ってきました。

「どうもありがとう、カーリーおばさん!」

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全編、夏の夕方の空気を感じる、緑色ベースの美しい絵だ。
ニゲラの話が出てくるが、ニゲラの群生を遠くから見ると、繊細な葉は立ちのぼる緑のミストのように見えるかもしれない。
久しぶりにニゲラの種をまいてみたくなった。

怖そうだと思っていたおばさんと子どもたちが仲よくなる話の絵本は他にもある。それも近いうちに。

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posted by Sachiko at 22:01 | Comment(2) | 絵本
2019年06月11日

「森かげの家」

絵本「森かげの家」
文:マーティン・ウォデル
絵:アンジェラ・バレット

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小道の奥の小さな家にひとりで寂しく暮らすブルーノーは、いっしょに暮らす木の人形を三つ作りました。

人形たちの名は、メイジー、ラルフ、ウィナカー。
人形たちは、ブルーノ―が作物をつくるようすを窓から眺めていました。

ある日、ブルーノ―はもどってきませんでした。
そしてなにもかもが変わっていきました。
小さな家は木や草におおわれて見えなくなり、人形たちも森かげの家にかくれてしまいました。

ある日ひとりの男がやってきて小さな家を見つけ、ここがとても気に入りました。冬が過ぎ、春になって、男は妻と娘をつれてもどってきました。

みんなは草木を切り払い、家を片づけたり直したり、すっかりきれいにしました。娘は人形たちを見つけて、きれいに色を塗りなおしました。

こうして新しい家族ができて、人形たちはまたしあわせになったのです。

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古い家が何年もかかってゆっくりと変化していく空気感、だまって時を受け入れる人形たち。
新しい一家がやってきて、壁は明るい色に塗られ、テーブルには花が生けられ、家はよみがえる。
アンジェラ・バレットの美しい絵が独特の詩的な雰囲気を醸し出している。

この絵本を楽しむには、「大人の常識」はいったん脇へ置いておく。
みつけた空き家を勝手に自分のものにしていいのか?とか、家の権利書はどこ?とか...

そして畑から戻ってこなかったブルーノーおじさんはどうなった....
いや、深く考えるのはよそう(>_<;
   
posted by Sachiko at 22:07 | Comment(2) | 絵本