2019年11月15日

雪が降る

一日中雪が降り続いていた。
家も道路も木々も真っ白に覆いつくされるとき、これほど美しい景色があるだろうかと思う。

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降る雪を見ていると時間を忘れる。というより、時間という枠の外に出るような気がする。

人が住んでいる場所で、雪に覆われ氷点下になるほんとうの冬がある地域はそう多くはない。
空から白い雪が降るという奇跡....
  
posted by Sachiko at 22:07 | Comment(2) | 自然
2019年11月03日

リンゴンベリー

花屋さんでリンゴンベリーの苗が売られているのを見つけた。

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「コケモモ」と訳されているが、日本でコケモモと呼ばれている植物は種類が多く、一般に見かける苗のほとんどはリンゴンベリーではない。

これはラベルに「リンゴンベリー」と書かれていて、原産地もフィンランドになっている。
葉っぱの丸い形からしても、リンゴンベリーで間違いなさそうなので買ってみた。

北欧の絵本に出てくる「コケモモ」はたいていこのリンゴンベリーだ。

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クリスマスの絵のモチーフとしても、ヒイラギよりリンゴンベリーが描かれていることが多い気がする。

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北欧の森にはたくさん自生し、可憐な見た目だが耐寒性が高く強健で、マイナス40度でも耐えるという。

釣鐘型の白い花もかわいい。
7ミリほどの小さな実はソースやジャムにするとおいしいらしいが、ジャムを作るほど収穫できるのはいつになるだろう。
  
posted by Sachiko at 22:08 | Comment(0) | 自然
2019年10月29日

沼地のマーケット

「植物と叡智の守り人」(ロビン・ウォール・キマラー著)から、ガマを使い尽くす話の続き。

ガマの生えた沼地はあらゆるものを提供してくれるマーケットのようだ。食料、繊維製品、住まいや薬になる材料....
そしてマーケットを廻りながら、賢い先住民の智恵が語られる。

「薬は病気の原因のそばに生える」

ガマの葉の根元を剥がすと、ねばねばしたゼリー状のものが出てくる。このゼリーが、ガマの収穫で日焼けした肌につけると爽やかで抗菌性もある薬になるのだ。

ネイティヴアメリカンの言葉の中には、植物を表わす単語が「私たちの面倒を見てくれる者」という意味になるものがあるという。

ガマの生える湿地について書かれている文章は美しい。

『・・・淡水湿地は、地球上でもっとも豊かな生態系のひとつで、熱帯雨林と双璧をなす。
そこは魚や動物も豊富だった。浅瀬では魚が散乱し、カエルやサンショウウオもたくさんいた。水鳥たちは密集して生えるガマの剣のような葉に護られてそこに巣をかけ、渡り鳥は旅の途中の安らぎの場所としてガマの生えた沼を求めるのである。』

だが、やはりこの湿地もほとんど失われてしまった。
排水されて農地にされ、多様な生物を養っていた土地が、ただ一種類の作物を育てるようになる....


多様な生態系があった場所の行く末は、世界のどこでも同じようだ。

以前「カントリーヘッジ」という絵本を紹介したことがある。かつて土地の境界に使われていた多様な植物による生垣が、人々にとっても食品庫であり薬棚でもあったという話だ。

日本の里山も、かつては豊かな生態系だった。
それらは目先の利益をもたらさなかったかも知れないが、循環しながら長く続いていく生命力を持っていた。
単一作物の畑も、単相林も、短期間で土地が疲弊する。

前にも書いたかもしれないけれど、私はずっとこう思っている。人間の暮らしに必要なものは、本来自然界にすべて用意されているはずだ。

多くを与える沼地のガマのような植物は、その土地ごとに存在しただろう。
共存、共働は自然の姿で、多様な生態系がもたらす豊かさは、貨幣経済という単一視点による豊かさとは別次元の拡がりを持っていたはずだ。

それは物質生活だけでなく、魂を喜ばせ、霊性をはぐくみ、土地ごとの文化を育てた。
現代の渇いてやせ細った魂は、その深奥では、生きものたちや“特別な植物”のある豊かな饗宴の座に加わりたくてたまらないのではないだろうか、と思う。
  
posted by Sachiko at 22:28 | Comment(0) | 自然
2019年10月27日

ガマの穂事件

「植物と叡智の守り人」(ロビン・ウォール・キマラー著)に、ガマを使い尽くす話が載っている。

沼地のガマの地下茎は、デンプン質が多く食用になるそうだ。レンコンのような感じだろうか。茎の髄の部分はキュウリのような味で、雄花の花粉も雌花の子房も食用になる

ガマの葉の繊維からは、糸や紐を作ることができる。織物にするほど細い糸も作れるという。

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さて、事件は.....
ずいぶん前のことだが、近所で行なわれていた森林局のイベントで売られていたガマの穂を2、3本買ってきて飾り用に吊るしておいた。

しばらく経ったある時、玄関の中に得体のしれない綿状のものが一面に散乱しているのを見つけた。

な、なんだこれは!?こんなものが、いったいどこから現れたのか、全く見当がつかない。犬がクッションやマットレスをかじったわけではない。犬を飼っていないからだ。

「何、何、何???」と頭がフリーズした状態でふと見ると、壁に吊るしたガマの穂が破裂して、綿状の物がはみ出している。これか、犯人は!
ガマの穂がこんなふうになるものだとは知らなかった。こうやって種を飛ばすのか.....

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『・・・雌花のひとつひとつは成熟すると綿毛がくっついた種子になり、茎の先端にきれいな茶色のソーセージが突き刺さったおなじみのガマの姿になる。この季節、冬の間の風にさらされたガマの雌花は精製綿のような塊になっている。』

特徴のある形の茶色のガマの穂は、この状態のものだったのだ。実際にこの綿毛は枕などの詰め物にすることができ、吸水性のあるその綿は、赤ん坊のおむつや断熱材にもなったという。
先住民たちにとって、ガマは使い尽くすことができる植物だったのだ。

ガマの穂爆発事件は語り草にされ、道端にガマが生えている場所を通ると私はいまだにからかわれることとなった....
  
posted by Sachiko at 22:34 | Comment(2) | 自然
2019年10月23日

枯れ色の美

草たちが種を飛ばし終えて枯れ始めている。

華やかな春の色は、外へ輝き出る光のように、向こうから飛び込んでくる。

秋の枯れ色は、こちらから入り込まなければ目に留まらない。自然霊たちが内界に退いていく季節だ。

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てっぺんにとまっているのは雪虫。

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このおもしろいかたちは、ゲンノショウコの種が弾けたあとにできるかたちだ。

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何の変哲もない雑草のひとつひとつにも、ディーバたちの楽しげな創造が生きている。
  
posted by Sachiko at 22:02 | Comment(2) | 自然