(マーガレット・ワイズ・ブラウン 作 / バーバラ・クーニー 絵)

あらすじ
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森のはずれ、ほかの木々から離れたところに小さなもみの木が立っていました。
春、夏、秋が七回過ぎて、七回目の冬がきました。
小さいもみの木は、自分が離れたところに立っているのをさびしく思いました。
だれかと、いっしょにいたい.....
ある日、男の人がやってきて、小さいもみの木を根ごと掘って麻袋にくるみました。
「おまえは これから すばらしいおいわいに いくんだよ。」
家には、足のわるい小さな男の子がベッドに寝ていました。
お父さんが持ってきた小さなもみの木は、樽に植えられました。
みんながもみの木の枝に飾りつけをすると・・・もみの木はクリスマスツリーになりました。
その夜、子どもたちがやってきて、クリスマスキャロルを歌いました。
男の子のそばで冬を過ごしたもみの木は、春になると、森のはずれに帰りました。
冬が来ると、また男の人がやってきて、もみの木を男の子のところに連れて行きました。
そしてまた春に、もみの木は森のはずれに帰りました。
もみの木は大きくなりました。
その冬、待っていても、男の人は来ませんでした。
もみの木はひとりで立っていました。
クリスマスなしでは、このよは、ただ、おおきく
つめたく、からっぽにみえました。
そのとき、遠くからクリスマスキャロルが聞こえてきました。
カンテラを手に持ち、子どもたちの先頭に立ってやってくるのは......
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絵本原作の第一人者、マーガレット・ワイズ・ブラウンは、100冊近い絵本を出していて日本語訳も数多くある。
「おやすみなさい おつきさま」「まんげつのよるまでまちなさい」「ぼく にげちゃうよ」など、おなじみのロングセラーも多い。
この「ちいさなもみのき」は、初版が1954年だが、作者は1952年に若くして世を去っている。
冬ごとに男の子のもとへ行ってクリスマスツリーになり、春には森に帰って来る小さなもみの木。
季節の巡りとともに、もみの木のそばでは鳥が歌い、花が咲き、ミツバチが飛び廻る。
クリスマスが近くなっても男の人が来ない冬は、一瞬不安にさせるけれど、最後は喜びのクリスマスになる。
絵は、こちらもおなじみのバーバラ・クーニーで、時を経ても古くならない、秀逸なクリスマス絵本だと思う。
図書館にあったので
じっくり読めました。
絵も見ていて安心感が湧いてきて
ほんとうに素敵なおはなしでした。
小さなもみの木の、しあわせなクリスマス、
そして最後は、もっとしあわせなクリスマス♪