2022年07月16日

「かぜは どこへいくの」

「かぜは どこへいくの」
(シャーロット・ゾロトウ作/ハワード・ノッツ絵)

これももう古典の域に近くなっている絵本。

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小さな男の子が楽しい一日を過ごしたあと、寝る前にお母さんにたずねる。

「どうして ひるは おしまいになって しまうの?」

「よるが はじめられるようによ。」

お母さんは答える。


ひとつのことの終わりは、別のことの始まり。

「かぜは やんだら どこへ いくの?」

「とおくへ ふいていって 
 どこかで また 木を ゆらすのよ。」


男の子は、次々とたずねる。

たんぽぽのふわふわはどこへいくの、
ずっと向こうの道の終わりはどこへいくの

雨はどこへいくの
雲はどこへいくの
落ちた葉っぱはどこへいくの

秋の終わりは、冬のはじまり。
冬の終わりは、春のはじまり。
どんなものも、次の何かへ続いていく。

「おしまいに なっちゃうものは、 なんにも ないんだね。」


「きょうは、いってしまった。
 さ、いまは ねるじかん。 そして、あした あさが きたら
 お月さまは、どこか とおいところへ いって、
 そこではよるが はじまるし、お日さまは ここへ きて
 あたらしい一日を はじめるのよ。」


まだこの世界にやってきて間もない小さな子どもには、風も、雨も、昼も、夜も、あたりまえではなく、不思議なこと。

ひとつひとつの質問に、お母さんは丁寧に答える。
お母さんは、この世界の不思議を知っているひとだ。

特別なできごとは起きないけれど、いつもそこにあるように見えるもの、大人になると気にも留めなくなるすべてのことが、しずかに尊く輝きはじめる。
どの瞬間も、ほんとうは特別なのだ、と。
   
  
posted by Sachiko at 20:49 | Comment(2) | 絵本
この記事へのコメント
図書館で探せない予感がして
予約して 読むことができました。
絵もとても素敵。
子供の時 死んでしまうことが
とても怖かったけれど
終わりは いつも始まり
と教えてもらえたら
すこし不安が やわらいだかも。。。
とても素敵な絵本。

Posted by にゃん太郎 at 2022年08月12日 07:09
季節や、水や風も、
どんなものも、次の何かにつながって、
循環していく...

「おしまいに なっちゃうものは、なんにも ないんだね。」と、
安心感に満たされた男の子の言葉が素敵ですね。
Posted by Sachiko at 2022年08月12日 21:48
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