2020年08月31日

委員会は大騒ぎ

グリーン・ノウ物語第3巻「グリーン・ノウの川」より。

子どもたちがグリーン・ノウに戻ると、発掘委員会は大騒ぎになっていた。
怒鳴り声、テーブルを叩く音、書類の束を投げつける人....

「抗議します!」
「けしからん!」
「権威を傷つけるものだ!」
「なまいきなつくりごとだ!」

誰かが「モード・ビギン博士はぺてん師だ!」とどなり、モード・ビギンも、「あなたこそばかなおいぼれじじいよ!」と答えて腰を下ろした。

窓から見ていた子どもたちは拍手喝采し、委員会の人たちは子どもたちに気づいて、ようやく騒ぎは静まった。

委員会の人たちにとって博士の『巨人の歯』は、現実にあってはならない、認めがたいものだったのだ。

「これが証拠よ!これは巨人の歯です!わたしたちがいましなければならないのは、これが出てきたじゃりの土地をみつけ、時代をはっきりさせることだけです」

ビギン博士はそう言ったが、相手にされなかった。
お客たちはミス・シビラにおいしい料理のお礼をのべながら帰っていった。


静かな池での、子どもたちのすばらしい時間とは対照的に、大人たちの滑稽な大騒ぎは、まるで次元が急降下したように見える。
波立つ水面は何も映さない。誰もかれもが自分の姿すら見えなくなっているようだった。

グリーン・ノウではよく変わった出来事が起こるが、委員会の騒ぎはそれとは違って、この屋敷にそぐわなかった。
もっともこの大騒ぎの原因は、子どもたちがテラックからもらった歯だったのだが....

そしてビギン博士が委員たちに対して言った、見ようとしない者ほど見えない者はいない、という言葉は、後に博士自身に返ってくることになる。
  
posted by Sachiko at 22:16 | Comment(2) | ルーシー・M・ボストン
この記事へのコメント
”大人たちの
 滑稽な大騒ぎ”

・・いつまで続くのでしょうかね?

”見ようとしない者ほど
 見えないものはいない”

・・ああ、めでぃあ信仰者たちよ。

「そういうことも
 あるかもしれない」
という
とらわれのない見識

「ほんとうにそうだろうか?」
という
うたがいをもつ思考
のバランス。
Posted by しゅてるん at 2020年09月02日 07:07
巷の騒ぎに、新たな騒ぎが加わったようで...
迷妄の中の騒ぎ、
もう夜明けが近いのに。

「ニュースや新聞を見て勉強している」という
信仰者は今も一定数いるのかどうか....
私は新聞とったことがないけれど、
まぁ、たまに新聞紙がなくて困ることがある...^^ゞ
Posted by Sachiko at 2020年09月02日 21:28
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