2020年08月25日

ビギン博士の発見

グリーン・ノウ物語第3巻「グリーン・ノウの川」より。

子どもたちは船に乗せられて家に帰った。
モード・ビギン博士は救助隊にお礼を言い、救助費用の請求にもこころよく応じた。

「あらゆる経験にはお金がかかるものですからね。それに三つも葬式を出した日には、もっともっとお金がかかるでしょうから。」

そう言ってミス・シビラをあきれさせたが、こんなことがあっても、「危ないからもうカヌー遊びは禁止!」などとは言わなかった。

「あんたたちは第一級の冒険をした、とわたしは考えてるんだよ。だれもかも、それでいいじゃないの。」


アイダは、巨人のことは話さないで、歯だけを見せてあげられないだろうかと言った。そしてモードおばさんが自分でそれを発見したらもっと喜ぶことだろう。

子どもたちは、ビギン博士がいつも散歩する砂利道(ちょうど新しい砂利を敷いたばかりなのだ)の上に、テラックの歯を置くことにした。

そして博士はそれを見つけた。
「えっ!あらっ!そんなはずが!・・・まさか!」
博士の驚くようすを見て、子どもたちは心から喜んだ。

翌日、つまりグリーン・ノウ屋敷で発掘委員会が開かれる日の朝、子どもたちは朝食が済んだらじゃまにならない場所に行っているように言われた.....


子どもたちだけの第一級の冒険など、もう今日では望めない。
夏休みの自由研究キットが売られているような時代、火や刃物をきちんと使える子どもはどれくらいいいるだろう。
やはり冒険は自然の存在たちといっしょでなければ。

余談だが、最近高層マンションの上階からの子どもの転落事故が多い。ベランダのフェンスを乗り越えると危険なことくらい、4、5歳にもなっていればわかりそうなものを、と思うのだけれど...
高層マンション育ちの子どもは感覚が鈍っているという話も聞く。自然から離れすぎているのだ。

子どもが育つのに最も適した環境は田園だという。
ルーシー・M・ボストンの別の短編には、こんな記述がある。

「・・ほんものの田園では、どんな不思議なことだって、自由に想像できるわ。それが田園のすばらしさよ。」

グリーン・ノウの周辺はほんものの田園らしい。
子どもたちが増水した川でカヌーで遭難(本人たちはそう思っていないが)しても無事に帰ってこられたのは、ほんものの田園には、子どもたちを守る存在もちゃんといるからだ。
   
posted by Sachiko at 22:04 | Comment(2) | ルーシー・M・ボストン
この記事へのコメント
わたしの田園
といえば

お盆に訪ねた
後志地方の田園。

親戚が農家をしていて
子供たちは一日
遊び惚けるのでした。

緑したたる中に
池があって
イトトンボ
アカトンボ
ギンヤンマ!

草原には
トノサマバッタ!

迫力満点の親豚が
小屋でいななき
ニワトリも
にぎにぎしくなき

果樹には
リンゴやら
ナシやらが実り

畑には
夏野菜・・・

ぴかぴかの夏の太陽
青い空

夏になるたび
思い出す
魂の宝物。
Posted by しゅてるん at 2020年08月28日 07:33
子どもの魂にはやはり、
自然の贈りものが必要ですね。

昔は都市にもまだ、
トンボもセミもトノサマバッタも
クワガタもいましたが、
みんなどこへ行ってしまった...?
Posted by Sachiko at 2020年08月28日 21:50
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