2020年02月26日

「かぜさん」

「かぜさん(Windchen)」(ジビュレ・フォン・オルファース)

windchen.jpg

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かぜさんが一休みしているので、男の子がうかべた小舟はうごきません。
かぜさんが遊びにやってくると、小舟は走りだしました。

かぜさんと男の子は、手をとりあって野原や丘を走ります。
くだもの畑でかぜさんは、りんごの木をゆすって実を落としてくれました。

ふたりが跳ねまわると、色づいた葉っぱのこどもたちも、はらはらと舞いおりてきました。

かぜさんと男の子は、降りてきた雲にのって空をかけまわります。
男の子の家で降りたら、かぜさんはもう行かなければなりません。

かぜさんは、いいます。
「あすも、あそびましょうね」
男の子は、いいます。
「あすも、あそぼうね」

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ジビュレ・フォン・オルファースは、教師などを経て24歳で修道女になったあと、8冊の絵本を出し、34歳の若さで世を去った。

「かぜさん」の初出は、まだ大きな戦争が起こる前の1910年。時間は今よりもはるかにゆっくりと流れていたことだろう。

子どもの時間も素朴でおだやか、風や草木と友だちになれた時代。
オルファースのやさしい絵本にはいつも、そんなしあわせな子どもの姿が描かれていて、100年以上経った今も静かに読みつがれている。
  
posted by Sachiko at 22:23 | Comment(0) | 絵本
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