2020年02月01日

「ごきげんボッラは なぞ人間!?」

「ごきげんボッラは なぞ人間!?」(グニッラ・ベリィストロム)

「ボッラは すごく ごきげんだ」の続編。

bolla2.jpg

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ボッラは、4歳になりました。

―いったい、何を考えているの?
ボッラはきょうもうれしそう。

世間の人たちは、ふつうの人には通じない、難しいことばを並べてひそひそ話。

 疾病、自閉症候群、発達遅滞児、
 精神病、神経症、心身症、
 情緒障害、虚弱性、熱病性、幼児性....

「ボッラは、理解することがほとんどできないの」と、ひとこといえばいいものを、それをいうのがこわいのです。


子どもたちは、ボッラを何とよぶかよく知っています。

 バカボン、きどりや、アホ、トンマ
 ノロマ、バカ、かわりもん....

きりがないほどでてきます。
でもボッラのいいところは、そんなことをきいても悲しがらないところなんです。

ビル兄ちゃんは思います。
いつかボッラは、みんなのわる口がわかるようになるかもね。
そしたら、悲しがるかな。泣きながらかえってくるかしら?

その日がきたら、みんなボッラのわる口はやめるべきだ。
ぼくだけでも、ぜったいやめるんだ!


怒りの詩:

ビルがつくったりっぱなお城を、ボッラがこわしちゃった。
どうしておまえはわからないんだ!

もっと怒りの詩:

ママだって、たまには、思ったとおりにいうべきだよ。

“ひどいわ!やっかいだわ!
 もうやりきれない!がまんならないわ!”

正直にいうべきだ、そのとおりにね。
だれもおこらない、いい日だってあるんだから。

ビル7歳:

サンタクロースがおじいちゃんだったとわかってしまって、ふしぎなことがみんな消えちゃった。
トナカイも、天使も、山の精も、小人たちも。

おとなになると、ふしぎなことも、変わったことも、もうおしまい。
なんでも、計ってしまう。
なんでも、わかってしまう!

ふしぎなことは、もうおしまい?
いいえ、ほら、あの子!
ひみつの人!ふしぎな人!
ふしぎな人、ボッラだけはのこっています。

ある人は、聞こえない、しゃべれない。
ある人は、目がみえない。

ある人は、杖をもち、
ある人は、無口で無言。

人間には、あらゆる人がいるのです。
世界は、ふしぎなことでいっぱいなのよ!

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ある人はああで、べつの人はこうで...
誰ひとり同じ人はいないのに、少しずつ似ている人たちが「みんな」と呼ばれ、その「みんな」と違っていると、やっかいなことになるらしい。

「みんなちがって みんないい」という境地に、いつになったらなれるのか。
それでも気が遠くなるような時間をかけて、何度も後戻りを繰り返しながら、ゆっくり、少しずつ、人類はそこへ向かう。

「人類」なんていう共通意識が持てるようになったのも、ほんの最近のことだ。
こんなにもゆっくり、ゆっくり....ボッラのように。
こんなふしぎな人間という存在がいて、大きな大きなところから、きっと見守られている...
   
posted by Sachiko at 22:35 | Comment(2) | 絵本
この記事へのコメント
”この世のモノサシ”
で計れぬものが

実は
この世を支え
希望の源になっている
のではないかと。

ボッラは
そんなモノサシがなくても
生きていかれることを
教えてくれる。

そして
楽しそうに
モノサシの外で
生きている。
Posted by しゅてるん at 2020年02月02日 09:05
きゅうくつな“モノサシ”
文字通り、「杓子定規」ですね。

ふつうという物差しで計れなくても、
生きて、在る、ということは
物差しの目盛りをはるかに超えてしまう。

そんな「根源の尊さ」に、
気づかせてくれるのかもしれません。
Posted by Sachiko at 2020年02月02日 21:22
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