2020年01月05日

宇宙樹ユグドラシル・2

ウルスラ・ブルクハルト「Das Märchen und die Zwölf Sinne des Menschen(メルヒェンと人間の12感覚)」より。

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自我の木は、地球の奥深くにしっかりと根を下ろしている。
運命の泉でノルンたちは時の流れを紡ぎ出し、魂の温かな力は喜びや悲しみと結びつく。未来を示す名を持つノルンのスクルドは、現在の人生の中から罪を未来へ紡ぎ出す。

けれど、人の温かい心はいつか運命に新たな転換をもたらし、罪を赦す神の子を見出すだろう。
多くの未来を持つ三つの力強い根から強大な幹が成長し、強大な樹冠が形成される。

シュタイナーの「神話と伝説」ではこのように語られている。
「木の先端は霊界に突き出している。豊かな樹液のしずくが霊の土地から流れ落ちる。

宇宙樹の頂上で放牧される山羊の角から、雫は絶えず滴り落ちる。下の世界は上から来るものによって受胎する。リスは上へ下へと走り回り、争いの言葉をあちこちに運ぶ。その様子は高次の自然に対する低次のものの闘いだ。」

人間は未だ不完全であり、木において結びつく相対するものの調和は常に乱されている。樹冠が霊的に成長していても、リスはまだ動物的で、混乱をそこにもたらす。

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樹木神話は世界中にあり、このように語られると、宇宙樹は宇宙的存在としての人間の姿そのものに見える。
その頂は天に至るが、根の下では運命が紡がれ、調和を乱す動物的なものが走り回っている。

こうして神話は、特別な響きをもって魂に働きかける。
人間には神話が必要だ。というより、人と神話は互いに映しあい、属しあっている。
この不可分のものを分離させたとき、人間は単に古い物語を失うのではなく、自分自身、人間であることそのものを失っていく気がする。
  
posted by Sachiko at 22:27 | Comment(0) | ウルスラ・ブルクハルト
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