このメルヒェンは人間の運命を表している。地上での生き方によって、次に地上に戻ってくるとき、黄金に覆われるか、コールタール(不運)を浴びるか、という話だった。
コールタールの運命と黄金の運命。完全にどちらか一方だけという人間はいないだろう。
ほとんどの運命は、さまざまな割合で、黄金とコールタールが入り混じっている。
メルヒェンにおける黄金には二種類あるという。
世界のはじまりから存在していた古い黄金と、地上での生活を通して新たに紡ぎだされた黄金と。ホレおばさんの黄金は、新しい黄金だ。
大きな輪で見るなら、運命は公正なのだ。
外面的に一見不公平に見えようと、宇宙的な秩序の元に運命は作られている。
カルマに良い悪いはなく、運命は命を運ぶと書くので、ほんとうの意味では悪いようにはしない、という話を聞いたことがある。
ではコールタールを黄金に変える方法はあるのだろうか。
ここでまたもうひとつ別のおとぎ話を思い出す。
「美女と野獣」で、美女が野獣をそのままの姿で愛したとき、魔法が解けて、野獣は王子に変わる。
張り付いたコールタールの運命を、これでよかった、と受け入れ愛したときに、変容が起こる気がするのだ。
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は
命を運ぶ
と書く。
ほんとだ〜!
安んじて受けていいのかもしれない....