2019年03月08日

冬の物語のおわり

「ムーミン谷の冬」より

ムーミン屋敷の冬のお客たちは去り、ふしぎな冬の生きものたちも、もう姿を見せない。
曇ったあたたかい夜に、ムーミンは、雪に埋まっていたドアを力いっぱい押し開けた。夜と松林の匂いが流れ込んできた。

「いまこそ、ぼくはのこらず知ったわけだ....ぼくは、一年じゅうを知ってるんだ。一年じゅうを生きぬいた、さいしょのムーミントロールなんだぞ、ぼくは。」

「ムーミン谷の冬」の最後の章、長い冬が終わり、すこしずつ春に移り変わっていくようすがリアルに感じられる。
春は、ムーミンが考えていたのとは違っていた。
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かれは考えていたのです。春というものは、よそよそしい、いじわるな世界から、じぶんをすくいだしてくれるものだと。ところが、いまそこにきているのは、かれがじぶんで手にいれて、じぶんのものにしたあたらしい経験の、ごくしぜんなつづきだったではありませんか。(本文より)

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ムーミンの物語はボーっと読んでいてはもったいない。
冬を生きぬいたあとに迎える春は、目を覚ましたらいつのまにか春だった....というのとは違っている。
ほんとうに春というものを知ったムーミンは、外に走り出ていっては新しい変化にうっとりする。

地面が顔を出しかけ、ブナのこずえの色が変わっている。お日さまの光がさしこんだ雪だまりはもろくなってひび割れている。海の氷は黒っぽい色になり、海が透けて見えるようになった。

雪と氷の真っ白い冬の景色は、長いあいだ変わらないように見えるのに、春が来るとさまざまなものが一気に動きはじめる。

北の国の春はこんなふうにやってくる。まだ雪が残っていても、大地が目を覚ましたことがはっきりわかるのだ。
 
posted by Sachiko at 22:06 | Comment(2) | ムーミン谷
この記事へのコメント
今年は雪が少なく
春が早いですね。
嬉しいのだけれど、
もっと寒くて
もっと雪のたくさん降る
冬だったらな・・
などと思ったり。

こうなったら
北極圏に引っ越すしか
ないな・・。

わが家のムーミンは
冬眠をしません。
みんな起きているので
自分だけ眠るのは
寂しいのだそうです。
それでも
雪の降る日や
とても寒い日は
眠そうにしています。

早春に咲く
小さな花たちも
そろそろお目覚め
ですね♪

Posted by しゅてるん at 2019年03月09日 07:47
今年はあっさり春になりそうで、
頬にビリビリ来るような厳寒、少なかったですね...
3月の吹雪が一度くらいあってもよかったかも、
なんて思います。

花が咲くのも早そうで、お庭(某公園)に
エゾエンゴサクが咲いたら
見に行こうかと思っていますが....
Posted by Sachiko at 2019年03月09日 21:36
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