2019年01月30日

冬のかがり火

「ムーミン谷の冬」より。

トゥティッキは今晩、冬の大かがり火を燃やすという。
「あんたのお日さまは、あしたかえってくるはずよ。」

北欧でかがり火といえば夏至祭りを連想するが、冬にもあるのだろうか。それも太陽が戻ってくる前日に?....と調べてみたが見つからなかった。
トゥティッキは、冬の大かがり火は千年も前からあると言っているが、これはトゥティッキらしい創作なのか。

戻ってくる太陽を迎える大かがり火....。オーロラや極夜など、ムーミン谷はずいぶん高緯度地域にあるらしい。

ムーミン家の庭の壊れたベンチも、大かがり火のたきぎになってしまった。大きい影や小さい影が、火の周りで踊り、姿の見えないトンガリネズミたちが歌っている。

すべてが燃えつきて燠になったとき、モランがやってきて残り火の上に座ると、火が消えてしまった。
トゥティッキは言った。

「あの人は、火をけしにきたんじゃないの。かわいそうに、あたたまりにきたのよ。でも、あたたかいものはなんでも、あの女の人がその上にすわると、きえてしまうの。」

さらにモランはムーミンの石油ランプのところへ行ったが、それもまた消えてしまった。

この場面は、後に「ムーミンパパ海へ行く」の中で、モランがランプの明かりを求めてやってくるところを思い起こさせる。そこでムーミンが示した友情を喜んで、モランはあたたかくなったのだ。

ムーミンが、見慣れない奇妙な生きものたちがうごめく冬というものを受け入れたことが、後にモランを受け入れることにもつながっていく。
太陽の出ない暗い冬をくぐり抜けることで、ムーミンは、美しい夏のムーミン谷だけでは得られなかった深みを知った。

ところで初めて雪が降ってくるのを見たときのムーミンの驚きは楽しい。

「雪って、こういうふうにふってくるのか。ぼくは、下からはえてくるんだと思っていたけどなあ。」

地面に積もっている雪だけを初めて見たら、それがどのようにしてそこにあるのか、わからないかもしれない。
降りしきる雪にうっとりしながらムーミンは思った。

「これが冬か。そんなら、冬だってすきになれるぞ。」
  
posted by Sachiko at 22:07 | Comment(2) | ムーミン谷
この記事へのコメント
アップ・ヘリー・アー
という火祭りが
冬の終わりころに(たぶん)
シェットランド諸島で
あるようです。

今読んでいる
シェットランドを舞台にした
ミステリーに
その火祭りがでてきます。

シェットランドも
えらく北方で
はじっこで
このような場所にも
人は暮らしている。

厳しい冬
厳しい風土
があるからこそ
の喜びや
育まれるもの
がありますね。

シェットランドでは
年中強風が吹くそう
で、
風のない日は
かえって落ち着かない
のだそうです。

少雪だったり
暖冬だったりすると
なんだかしっくりこない
のと同じ感覚なのでしょうね。

今朝は雪。


Posted by しゅてるん at 2019年01月31日 07:35
冬の火祭りがシェットランドにもあったのですね。
シェットランドといえば、羊とニットを連想します^^
たしかに、暖冬では身体がなまるような感じがしますね。
厳しい冬を抜けてこそ、春は格別です。
Posted by Sachiko at 2019年01月31日 21:03
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