
元は、“Stopping by Woods on a Snowly Evening”(雪の晩、森の傍に佇んで)という、フロストの詩の中で最もよく知られているといわれる詩だ。
短い詩なので、見開きページに1〜3行ほどの言葉が、優しく柔らかい日本語訳で書かれている。
あとは、すばらしい絵だ。人物の服などにほんの少し色が使われているだけで、ほかはモノクロの雪景色が続く。
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ほかにはやさしい風の音
吹きすぎる風の音ばかり
枝々が雪に覆われた深い森、白樺とフクロウ、ウサギやテンやリス、雪の中からのぞいている立ち枯れた草、そして、あたり一面どこまでも、ひたすら降りしきる雪.....
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森はしずかにくれてゆく
くらく やさしく かげふかく
Whose woods these are I think I know.
His house is in the village though;
He will not see me stopping here
To watch his woods fill up with snow.
My little horse must think it queer
To stop without a farmhouse near
Between the woods and frozen lake
The darkest evening of the year.
He gives his harness bells a shake
To ask if there is some mistake.
The only other sound’s the sweep
Of easy wind and downy flake.
The woods are lovely, dark and deep,
But I have promises to keep,
And miles to go before I sleep,
And miles to go before I sleep.
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約束をまもるそのために
もういかなければなりません
眠りにはいるそのまえに
もういかなければなりません
眠りにはいるそのまえに
絵本のことばは優しいけれど、眠る前に、まだ数マイルの道のり....
フロストの時代、ニューイングランドの冬はとても厳しかったことだろう。自然も、暮らしの状況も。
それでも詩人の魂は、美しい雪の森を見る。
降りしきる雪のなかの、暗く、深く、静かな森。
美しさ
モノクロの世界の
美しさ
その中に
すべての季節の
色と輝きが潜んでいて
寒さがそれを
凝縮していて
味わい深いこと
このうえなし。
冬ファンクラブ会員より
真っ白な雪原...
いつまでも見飽きない
その中に溶けてしまいたい静けさ...
冬は美し♪