「夜のパパ」シリーズは、青年と少女が深く心を通わせる友情物語だった。
青年と少女の魂の交流ということでは、全く違う話だけれどひとつのとても古い映画を思い出す。
『シベールの日曜日』(1962年フランス映画)、昔小さな映画館での名作リバイバルシリーズとして観たことがある。
インドシナ戦争の帰還兵で戦争のPTSDに苦しむ青年と、孤独な12歳の少女の物語だが、周囲の大人たちの誤解によって悲劇的な結末を迎える。またひとりぼっちになってしまった少女の悲嘆が痛ましい。
もうひとつの古い映画、ヴィム・ヴェンダースの『都会のアリス』(1973年ドイツ)、これもマニアックな小さな劇場でリバイバル上映されたときに観た。
ジャーナリストの青年(といってもややオジサンに近い感じだった)が、ひょんなことから知り合った少女(8歳か9歳)のあいまいな記憶だけをたよりに、少女の祖母の家を探して旅する話だ。
この中のひとつの会話を強烈に覚えている。
少女が青年に訊ねる。
「何が怖いの?」
「怖さが、怖い」
実際は作家や脚本家は大人であり、子どもに何かを託して語らせているのだけれど....
語るのが子どもだと、大人同士の会話よりもいっそう鋭く本質を突くように聞こえるのはなぜだろう。
主人公、あるいは重要な役どころで子どもが登場する映画の魅力はそのあたりにあるのかもしれない。
* * *
子どもが主人公の古い映画といえばやっぱりこれ「ミツバチのささやき」(1973年スペイン)、これはDVDが出ている。
深く暗い静寂と詩の中に分け入っていくような雰囲気が好きだった。
2018年10月05日
青年と少女の物語
posted by Sachiko at 21:54
| Comment(2)
| 映画
(夫とわたし)
この組み合わせも
人を戸惑わせるようです。
(親子なのか?
夫婦なのか?)
誤解されても
悲劇にならないのは
幸いです。
”怖さが怖い”
よ〜くわかります。
なかなか克服できませんが
”面白がる”
というスタンスを
ただ今修練ちう。
「ミツバチのささやき」
映画見ました。
原作も読みました。
珠玉ですね。
人間の一生は、宇宙の一日...
地球年齢にこだわる時代は、
そろそろ終わっていいなぁ
と思います。