2022年04月19日

花を聴く

ようやく花の季節になり、いつの間にか殖えたチオノドクサやシラー・シビリカなどの小さな球根花が輝いている。

先日、花屋さんで買ったチューリップをしばらく見ているうちに、ふと不思議な感覚になった。

“見る”よりもさらに奥、“聴く”という言葉がふさわしい気がしたのだ。

日本の香道では“香を聴く”という表現をする。

内的に深く知覚するという意味だと思うが、感覚の中で、聴覚がもっとも物質界を離れて超感覚世界まで入り込める感覚だからか。
死者がその肉体を離れたあとも、聴覚だけは最後まで残っているという。


感覚はそれぞれバラバラではなく連動していて、深く降りるほど、それらは繋がりあう。
“音色”は、単なる音よりも深いところにある。言葉は絶妙だ。

深奥ではすべての感覚がひとつになって響き合うに違いない。
混然一体になるのではなく、感覚がそれぞれ違った楽器としてハーモニーを奏でるような感じだ。

花の色、かたち、香り....
それらすべての奥にある、花という存在の本質を知覚する。

ひょっとしたら“聴く”は、“愛する”に近い言葉ではないだろうかと思う。
  
posted by Sachiko at 22:16 | Comment(2) | 言の葉