2022年01月12日

「かえるの王さま」

魔法で動物の姿に変えられてしまった王子についての話を以前書いた。
「かえるの王さま」の王子はその代表格だ。

KHM(Kinder-und Hausmärchen グリム兄弟の蒐集による「子供と家庭のための童話集」の通し番号)の1番が、この「かえるの王さま」で、番号はほぼ採話順になっている。

悪い魔女によって動物に変えられた王子は、そもそもなぜ、どのようにして魔法にかかってしまったのかは、どの物語でも説明されていない。

ヨハネス・シュナイダーの「メルヘンの世界観」の中では、姿を変えるという魔法は、悪の力から来るものだと言っている。

動物に変えられた姿は、人間が本来あるべき姿から外れてしまったことを示していて、、現代人はこの状態で、それは悪の力という魔法にかけられてしまったためだ。

けれどその力によって姿を変えられたカエルは、それによって善をもたらす行為を成し遂げることができるという。

「悪を統合した人間には威厳がある」というように、悪をくぐり抜けた善には、そうでない場合よりもはるかに力強さを感じる。

いったいここを無事にくぐり抜けられるのか?と思うような時代も、全体を見通している高次元の目から見れば必然的なプロセスで、人間がより強くなって本来の姿に還る未来が見えているのだろう。

それまで金のまりで遊んでいた、子どもと思われる王女が、カエルが王子になったことで結婚に至るほど成熟する。
このパターンは、「雪白とバラ紅」で、熊が王子にもどった時の状況に似ている。
このあたりにも、メルヒェン特有の深い叡智が透けて見える。

--------

HPに「グリム童話の世界」を追加しました。
https://fairyhillart.net/grimm1.html

froschkönig-1.jpg
  
posted by Sachiko at 22:34 | Comment(2) | メルヒェン