2020年11月18日

「ハイジ」の話

宮崎駿「本へのとびら―岩波少年文庫を語る」を読んでいた。
岩波少年文庫から宮崎駿氏が選んだ50冊と、児童文学への思いが語られている。

ハイジのところで、こう書かれている。

「アニメより原作を本で読んだほうがいいという人がいます。ぼくも半分位そう思っていますが、この作品はちがうと思っています。
見、読みくらべてみて下さい。ぼくらはいい仕事をしたと、今でも誇りに思っています。」

私も、映画やドラマやアニメになった作品は、先に原作を読むのがいいと、基本的には思っている。
指輪物語もナルニアもゲド戦記も、やはり原作がいい。

けれど19世紀の作品などは、現代人の感覚では読みにくいかもしれない。
本の後半で宮崎氏は、アニメ版ハイジを作ったときのエピソードとして、今ごろそんなカビの生えたものをやるのか、という感じだったと書いている。

ある時代に名作と呼ばれたものが、永久に名作であり続けるとは限らない。子ども向けの名作全集などには、いつまでもそうした古典が名を連ねていたりするけれど、中にはもう寿命が尽きているものも少なくないと思うのだ。

「ハイジ」も、もうあまり読まれなくなっていた古典のひとつだったと思う。
ヨハンナ・スピリはかなり多くの作品を書いていたらしいが、後年まで残ったのはハイジだけだったようだ。
アニメになったことで、確かに新しい生命が吹き込まれたのだ。

ストーリー展開も設定も原作通り、でも不思議と19世紀のカビ臭さはなくなっている。(アニメのペーターは原作より賢そうだが)
最近はアニメのハイジはCMでイジられまくっているが、それくらい現代日本人に親しい存在になった。

私は実はハイジの原作は、小学生のときに何度か読みかけては挫折していて、まともに読んだのはかなり後になってからだった。
それもアニメの再放送を見たのがきっかけだったような気がする。

その昔、マイエンフェルトの駅を素通りしたことがある。
エクスプレスの通過駅だったのか、それとも降りようと思えば降りられたのだったか、もう憶えていない。
児童文学の古典についてもう少し書きたかったけれど、また別の機会にしよう。
   
posted by Sachiko at 22:17 | Comment(0) | 児童文学