2020年08月05日

ふたつの力・3

若くして高みに達し、早々に世を去ってしまった天才たちがいた。
ノヴァーリス29歳、モーツァルト35歳、ラファエロ37歳....

こういう人々は、その創造の力を青春の力から汲んで来たのだという。そしてそのことが、肉体の死を早めることになったのだ。

一方、人生の後半から輝きを増す場合もある。
例えばフランシスコ・デ・ゴヤは、40歳を過ぎてから画家としての地位を確立し、当時としてはかなり長命の、82歳の最晩年に至るまで精力的に創作を続けた。

こういう人々は、創造の力を死の力の中から汲むのだという。そしてこの二つは全く別のことなのだ、と。

これは不思議なパラドックスのようだ。
青春から汲まれた創造の力は早い死をもたらし、死から汲まれた創造の力は晩年まで力強い。

ゴヤ最晩年の作で、絶筆と言われている「ミルク売りの娘」。

milk.jpg

かなりおどろおどろしい絵を多く描いたゴヤは、個人的には特に好きな画家ではなかったけれど、最後に描かれた、青春が匂い立つようなバラ色の頬をした少女の姿は、胸に沁みるものがある。


ところで女性の更年期というのは、それまで出産に備えて保たれていた宇宙的な力が解放されて、今度は創造の力に変容させて使えるようになる時期なのだそうだ。

それは可能性であり、どう使うかあるいは使わないのかは、個人に委ねられている。これはやはり使った方がいい。

「私の若さの源泉は、想像力。みなさんも、想像力を枯らさないで!」(by ターシャ・テューダー)
  
posted by Sachiko at 21:47 | Comment(2) | 未分類