2020年06月12日

緑の石の物語

鉱物つながりで、久々に『指輪物語』から。

緑の石が最初に登場するのは、裂け谷のエルロンドの館だった。
ビルボが自作の詩を披露したあとでフロドに言った。

「・・アラゴルンがどうしても緑の石を入れろといってきかないんでね。かれはそのことを重大に考えているらしいのだ。わけは知らないが。」

この緑の石については、指輪物語に先立つ時代のことが書かれた『終わらざりし物語(Unfinished Tales)』の中に記述がある。

『・・・エネジアルという名の宝石細工師がいた。・・エネジアルは生長する緑のものすべてを愛し、かれの最大の喜びは木もれ日を眺めることだった。
そしてかれは、澄んだ太陽の光を封じ込めた宝石、木の葉のような緑色をした宝石をつくろうと思いたった。』


エレサールと呼ばれたこの石を、後の世にひとりの者が受け取りに来て、彼は石と同じエレサールと呼ばれると予言された。
エレサールは、アラゴルンが王位に就いたのちに名乗った名だ。

もうひとつ別の物語もある。
エルフの金銀細工師ケレブリンボールが、枯れることのない緑の草木を望むガラドリエルのために、もうひとつのエレサールを作った。
それはガラドリエルの娘ケレブリアンから、さらにアルウェンの手に渡り、そしてアラゴルンへと渡った....


木洩れ日から作られた緑の宝石.....
あらゆる物質は、光が凝縮したものだと言われる。

私がいちばん好きな緑の石は、日に透かした葉っぱの色のペリドットだ。
エルフが作った緑の石がどれほどの美しさだったかは想像を超えるけれど、ほんのひとかけら、思いを馳せてみる。

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posted by Sachiko at 22:09 | Comment(2) | ファンタジー