2020年05月22日

野のすみれ

家の裏にすみれがたくさん咲いている。
種類はわからない。北海道には数十種類の野生のすみれがあるという。
私が植えたのではなく、いつの間にか咲いていた。

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花が終わるとたくさんの種を飛ばし、地下茎でも殖える。このすみれはきっと、ここに家が建つ前からあったのだ。
地下茎がほんの少しでも残っていると、そこからまた芽を出し、そうしてそっと生き延びてきたのだろう。

一時、もっと強靭な植物(フキなど)に押されてかなり少なくなってしまったが、また盛り返してきた。
小さく可憐な姿ながら、野生種は力強く清々しい命の香りがする。

すみれを踏みそうになるとき思いだす、ゲーテのバラッド「すみれ(Das Veilchen)」は、小さなすみれの嘆きの歌だ。

羊飼いの娘が野原にやってくるのを見て、ちいさなすみれは憧れる。あのひとがわたしを摘んで胸に押しあててくれたら!
でも娘はすみれに気づかず踏みつけてしまった。
倒れてもすみれは喜んだ。あのひとに踏まれてその足元で死ぬんだもの・・・

この詩にモーツァルトが曲をつけている。
往年の歌姫エリザベート・シュヴァルツコップの歌で。


  
posted by Sachiko at 21:37 | Comment(0) |