2020年05月16日

グラオーグラマーンの宇宙論

「はてしない物語」(ミヒャエル・エンデ)より。

色の砂漠ゴアプで、バスチアンはライオンのグラオーグラマーンに訊ねる。

「おまえは、ほんとうにずっとここにいいるのかい?」
「ずっとです。」グラオーグラマーンはきっぱりいった。

砂漠もライオンも、ファンタージエンで月の子(Mondenkind)に会ってから、バスチアンが望んだことで現れたものだ。

「ぼくが望んだらそうなるんだろうか。それとも、何もかも始めからあって、ぼくはただそれをいいあてたってことなんだろうか。」
「その両方です。」グラオーグラマーンはいった。

バスチアンが造った瞬間から、それは大昔からあるものになった....


ところでビッグバン宇宙ができたのはいつだろう。138億年前?

いや、そういう話ではない。
学者たちによってビッグバン説が唱えられ、それが人類の集合意識に受け入れられたときだ。
その時から、遥かな過去にビッグバンによって生まれたという宇宙が存在しはじめた。

もしも明日、ビッグバン宇宙論は間違いだったと証明され(今も反論はあるらしいが)、それに代わる新しい宇宙論が人類の大多数に承認されたら、宇宙は最初からその新しい宇宙論に沿って生まれたものだったことになる。

そうなればビッグバン宇宙は迷信で、最初から存在しなかったのだ。
古代の、巨大な亀の甲羅の上に立つ宇宙のように。

「あなたが造ったから、それは最初からあった。」

宇宙は最初から存在したのか、それとも毎瞬間、人間の意識が太古からの宇宙を創り続けているのか?

「その両方です。」と、グラオーグラマーンは言うだろうか。

最新の科学によって証明された!という話は当てにならない。
それは常に今の時点で、という話で、明日には別の「証明」に取って代わられるだろう。しかも自然科学はいまだに物質界しか研究対象にしていない。

科学が切り捨てた太古の神話の中に、真実はひっそりと隠れていたりして.....
   
posted by Sachiko at 22:27 | Comment(2) | ファンタジー