2020年04月29日

はじまりの場所

今年1月、フィンドホーンの創設メンバーの中でただひとり健在だったドロシー・マクレーンが100歳の誕生日を迎えたことを書いたが、彼女はこの3月に天に帰ったそうだ。

フィンドホーンは、クルーニーとパークの2つのエリアに分かれている。どちらが好きかは人によって分かれる。
クルーニーが好きな私は、あまりパークのことを書いてこなかったけれど、もちろんパークにも重要な場所がたくさんある。

創設メンバーたちが住んでいたトレーラーハウスも、美しい庭の中で保存されている。

trailerhouse.jpg

アイリーンを通して降りてくるガイダンスに従ってメンバーが行きついた先は、荒れた砂地でのトレーラー暮らしだった。

にもかかわらずガイダンスは、やがてこの地に大勢の人々がやってきて、愛による共同体を形成するだろうと告げていた。
フィンドホーンの創設は不思議な話に満ちている。

共同体が大きくなった後も、アイリーン・キャディは創設者として尊敬され大切にされていたが、カリスマ教祖のような立場になることはなかった。

ピラミッドの頂点に立って君臨するようなリーダーを置かないのが、フィンドホーンの方針なのだ。
新しい文明は、そのようになるだろう。ピラミッド型組織はもう要らない。

円環上の任意のどの点もその時々の起点になり得るように、誰もがリーダーであり、誰もリーダーではない。そして文字通りの円の中心(コンパスの針が置かれる位置)は、人間が立つ場所ではない気がする。

そこはアイリーンがガイダンスを受けた神(この名に抵抗があれば、宇宙でも何でも)や、ドロシーがコンタクトした自然のディーバたちなど、それなくしては人間であることが成り立たない、大いなるものの場所なのだと思う。
  
posted by Sachiko at 22:54 | Comment(0) | フィンドホーン
2020年04月27日

水仙

水仙が咲いてきた。

suisennew.jpg

早春のこの時期は、近所の庭も水仙の黄色一色だ。
子どもの頃、教科書だったか子供向けの図鑑だったか、「冬の花」という項目に水仙が載っていた。

冬の花?冬に花は咲かないよ。
一面真っ白に凍りついている冬に、花?
何とも不思議だった。

もう少し後になって、その種の本はほとんど関東標準で書かれていると知った
ここ数日の気温は東京の真冬並みだったので、冬の花と言われればそうなのだろう。


ワーズワースの「水仙」の一節((平井正穂訳)

 夜空にかかる天の川に浮かぶ
 燦めく星の群のように、水仙の花はきれめなく

雪の少ないイギリスでは、水仙は2月下旬から咲き出すらしい。
我が家の少しばかりの水仙は星の群とは程遠いけれど、黄色い花たちは光を放って見える。
  
posted by Sachiko at 21:59 | Comment(2) |
2020年04月25日

自然霊たちの食べ物

『ZWERGE, GNOME UND FANTOME』(アニー・ヘルディング著)より。

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自然霊たちの食べ物については、その香りで十分です。
小人たちは、ベリーや果物から太陽の力を取り入れます。植物を通して放射される香りと波動が、彼らにエネルギーを与えるのです。

人間はベリーや果物をジュースに加工したり薬用に用いたりします。また、根や葉からも効力を得ることができます。自然霊たちはそれを、私たちとは異なる方法で行ないます。

彼らはまた蜂蜜の香りを楽しんで吸い込み、彼ら自身に作用させます。
彼らは薬草を知っていて治療のために用いますが、それが必要な事態が起こるのは望ましいことではありません。

自然霊たちは、環境汚染やそれに似た状況によって周囲の環境と調和しなくなると、薄れて衰弱してしまいます。

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彼らは肉体を持たないのだから、物質としての食物は必要としない。

私は、人間もやがて進化して、ベリーや果物、花やハーブなどの透きとおったエッセンスだけで生きていけるようになればいいと思っている。

「フィンドホーンの魔法」の中だったか、そのような話があった気がする。
創設当時の人々を導いていた自然霊が、フィンドホーンの畑で育てた質の良い野菜を充分摂るように、やがて人間は食物をとらなくても光の食べもので生きていけるようになる...と言ったという話だ。

環境汚染は目に見える世界だけでなく、背後にいる自然霊たちも弱らせてしまう。その結果は人間が引き受けることになる。

人類がこの狂気の時代をくぐり抜けて生き延びることができるなら、次の新しい地球の食物として、ベリーや果物やいろいろな植物の、芳香を放つエネルギーの種を蒔いておきたいと思う。
  
posted by Sachiko at 22:15 | Comment(0) | 妖精
2020年04月23日

エンドウ豆の種まき

冷蔵庫の中に5、6年前の古いエンドウ豆の種が10粒ほど残っていた。
もう発芽しないかもしれないと思ったけれど、試しに蒔いてみたら、今のところ8個が芽を出している。
(容器は卵のパック。このまま植えれば土に還るはず...)

greenpea.jpg

種の袋には発芽率85%と書かれていたので、古い種でもかなりの率で発芽している。
大豆などは、気温が30℃を超えると発芽力を失うらしく、やはり種は冷蔵庫で保管するのがいい。


アンデルセンの「エンドウ豆の上に寝たお姫様」という、ごく短いお話がある。
ほんとうのお姫様をお妃に迎えたいと願っている王子のところに、自分はほんとうのお姫様だ、という娘がやってくる。

王子の母親であるお妃は、ベッドの上に一粒のエンドウ豆を置き、その上に敷布団を20枚重ね、さらに羽根布団を20枚重ねて、お姫さまをその上に寝かせた。

翌朝、寝心地をきかれたお姫さまはこう答える。
「一晩中、まんじりともしませんでしたわ。なんだか堅いものの上に寝たものですから、からだじゅう、あとがついてしまいました。」
それで、こんなに感じのこまかい人はほんとうのお姫様にちがいないということがわかり、王子はお姫さまをお妃に迎えた。


これによく似た話が、「エンドウ豆の試験」というタイトルで岩波文庫のグリム童話集の中に入っているが、グリム童話の通し番号であるKHM番号がついていない。
初めは伝承だと思って童話集に入れたところ、後にアンデルセンの創作だとわかり、次の版からは削除されたということだ。
グリム兄弟とアンデルセンは、ほぼ同時代の人なのだと思うとあらためて不思議な気がする。


種まきしたエンドウ豆は、もう少し大きくなったら地植えしようと思っている。今週は気温が低く、今日は雪がちらついていた。
採りたてのエンドウ豆で豆ごはんを作れるといいな、と思う。

野菜を種から育てて日々変化を観察していると、命を共有するものの不思議な感覚に包まれる。
種というものはほんとうに驚異だ。
  
posted by Sachiko at 21:56 | Comment(0) | 暮らし
2020年04月21日

火の小人

『ZWERGE, GNOME UND FANTOME』(アニー・ヘルディング著)より。

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火の小人の外観を言い表すのは難しく、常に動いていて、その色を変え続けています。
火のように赤いかと思えば緑がかった黄色になり、また白っぽい灰色になったりします。

頭には炎の帽子を被っているように見えますが、炎が噴き出しているように見えるのは髪かもしれません。

彼は火花から大きな火まで、自分の大きさを変えることができます。ほとんど目立たないほどにくすぶっているときも、いつも燃え上がる時を待っています。

彼は火の一部になることができ、音を立てて踊る炎のように、火の中に座っています。

小人はふつう、中世の靴のように、つま先の尖った靴を履いています。
山岳地帯で鉱山労働者を助けている小人は、山岳靴を履いています。コバルトという鉱物の名はコーボルトにちなんでいて、それはコーボルトからもらったのだと伝えられています。

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小人や妖精は先のとがった靴を履いているというイメージは、そのように描かれていることが多いからだと思っていたけれど、この本に書かれているように、見える人には実際にそのように見えるらしい。

ウルスラ・ブルクハルトの本では、ドワーフのとんがり帽子はオーラの表現だと書かれていたが、尖った靴もそのようなものなのだろう。

人間が履く先の尖った靴は、小人の靴が元になっていたのかもしれないと思う。中世にはまだ妖精や小人を知覚する人々が多くいたはずだから。

人間が独自に作り出したと思われているものの中には、実は妖精や小人の世界からもたらされたイメージの写しであるものも多かったのではないだろうか。

火の小人は、絵も載っている。

feuerzwerg.jpg
  
posted by Sachiko at 22:56 | Comment(0) | 妖精