2020年03月14日

小人たちの旅・2

『ZWERGE, GNOME UND FANTOME』(アニー・ヘルディング著)より。

----------------

うぬぼれた人々は、証明されていないものや未知のものなどを迷信として片付けてきましたが、今日では超自然的(つまり、証明不可能)な現象は、数十年前よりも敬意をもって扱われるようになりました。

フェルウェにおいては、そうした古い家族の言い伝えが新たによみがえるということが起こっています。
それらのロマンティックで秘密に満ちた話、祖父母が若かった頃の体験は、若い世代に引き継がれ、穏やかに語ることのできる物語として再び明るみに出てきています。

それぞれの家族には独自の体験談があり、日が短くなり夜が長くなるころに、暖炉のそばで語り継がれました。
それらは不思議で神秘に満ちた詩的な物語です。

フェルウェの人々はそうした秘密の物語を、すぐにはよそ者に明かさないため、私は少しずつ彼らの不安をやわらげ、信頼を得ていき、やがて彼らの物語を聞くという大きな特権を得ることができました。

----------------

そうしてアニー・ヘルディングは幾つかの物語を書き留め、自身の経験を加えていった。


小人たちが住処である土地を離れるときには常に理由がある、と書かれている。
小人たちの行列として知覚されたものは、もうひとつの世界に存在するものたちの、独特のエネルギーの動きだったのだろう。

たとえば、春になってシベリアに帰る白鳥の群れや、桜前線の北上といった目に見える現象の背後で、それらの現象を司る目に見えない存在たちがいっしょに旅していたとしてもまったく不思議ではない。

季節が移ろって行くとき、昼と夜が交代するとき、別の目が開けたなら、そこに自然霊たちの軽やかなダンスを見ることができるだろう。


そして、自然環境に変化が起きた土地から自然霊たちが去っていくという話は、アニー・ヘルディングだけでなく自然霊を知覚する複数の人々が同じように語っている。

あくまでも物質界だけを唯一の世界と信じる文明を突き進むのか、その背後の世界に敬意を払う文化に移行するのか、世界が大きな分岐点に来ていることを確かに感じる。
  
posted by Sachiko at 21:45 | Comment(0) | 妖精