でも季節感は、必ずしも雪や気温で決まるものではないようだ。季節の気分というものがある。
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「大地の四季---季節の錬金術について」(ヴァルター・クロース)より。
古い農民の言い習わしでは、2月25日の聖ペテロの日に春が始まると言われています。
聖ペテロの日のころ、自然や気象を観察する人は、言葉には表せないことが大気のなかで起こっているのを知っています。
・・・地面から湧きあがる微細な物質が大気の香りを変えるのです。
この時期に起こることは、地球が自分でしていることです。世界が植物で溢れるずっとまえに、大気の香りのなかに入り込むのは地球の内的な生命なのです。
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大気の香りが、独特の季節の気分を呼び起こす。
アドベントの頃には、聖夜の気分と、不思議だが雪の匂いというものが確かにある。
3月の雪はもう、クリスマスの雪と同じではない。
雪の下から現れる湿った落ち葉も、秋の匂いとは違っている。
雪の下の種や根の中で、芽吹きを促すものたちがすでに動いていて、それらは大気の中に春の香りを発散している。
大気の香りは刻々と変化していく。この繊細な仕事にはきっと、軽やかな春の香りのエルフたちが関わっているのだ。
明日は雛祭り。光も日々強くなり、もう真冬日にはならないかもしれない。
春の花、ミモザ。最近は近所の花屋さんでも手に入るようになった。
