2019年12月10日

12月と雪

「フランドルの四季暦」(マリ・ゲヴェルス著)より。

フランドルの冬はかなり暖かいらしく、「12月と雪」という章で書かれている雪の様子は、今にも溶けて水になってしまいそうだ。

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「12月に、雪をめぐって地表と、雲と風が一致協力するのは稀なことだと言わなければなりません。
強くて暖かいメキシコ湾流が、遠く西のほうにどっしりと構え、雪の邪魔をするからです。」

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このような描写が他人事ではない今年の12月。
道路の雪はとけてしまい、明日からも最高気温がプラスの日がしばらく続くらしい。
凛々と凍てつく真冬日はどこへ行った?

この時期の暖かさは、何度も不自然に眠りを中断されるような気分になる。こんな生ぬるい冬はいやだ。身体がNOooo!!と言っている。

かつてはいったん根雪になると、春に最初の雨が降るまでは、冬のさなかに雨が降るなどということは考えられなかったのだ。今年はまだ根雪にさえならない。

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「最初に舞う雪のひとひらを捕まえるのは、池の水面が氷に覆われるのに立ち会うのと同じくらい難しいらしく....つい先ほどまであたり一面に雪の匂いが満ちていたのに、雪は降りませんでしたし、皓々と照る月が雪雲をかきまぜていたのに、それでも雪は降りませんでした。
顔を仰向けて寒さのゆるんだ空に問いかけても、優しく触れてくる綿毛のひとひらもなかったのです。」

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雪の匂いというものは確かにある。雪のひとひらを捕まえるのは、子どもの頃の遊びだった。
毛糸の手袋の上で、雪の結晶がはっきりと見える。

しばらく前に買って積んであったこの本は、私には言葉がすこし装飾過多に見えて、なかなか読み進められないでいた。

帯には、豪奢に織りなされたフランドルの四季、とある。
確かに、雪ひとつにしても、たくさんの色糸を使った織物のような印象だ。

多彩な織物にはその美しさがあり、「あ、雪だ...」というひとことが語る景色もあるだろう。
あとは好みの問題だろうが、それよりも、アドベントだというのにこの暖かさ。

12月らしく、冴えた寒気が頬を刺すのを感じながら、靴の下でキュッと雪がきしむ音を聴きたいと思う。

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posted by Sachiko at 22:19 | Comment(0) | 季節・行事