2019年09月06日

暗闇と沈黙と

地震とブラックアウトからちょうど1年ということで、ローカルメディアは数日前からいろいろ特集を組んでいる。

結局一番私の印象に残っているのは満天の星空だったりするのだが....
あの時星空を見上げた人は多かった。
これほどの星が見られるなら、たまに街の電気を消してみるのもいいのではないか、と言った人もいた。

濃い暗闇は、かすかな光を見えるようにする。深い沈黙は、かすかな音を聞こえるようにする。

それらは、ふだんの都会の溢れかえる光や音の中ではかき消されてしまっているものだ。

真っ暗闇になった時に、星があるのはいいことだ。


暗闇の中の美の話として、ヴィクトル・フランクルの「夜と霧---ドイツ強制収容所の体験記録」の中のこんなエピソードがある。

想像を絶する過酷な収容所生活、極限状態の中で、一日の労働を終えた囚人たちが夕焼け空に目をうばわれ、「世界は何て美しいんだ!」と感嘆したという話だ。

どんな状況であれ、それよりも遥か高い次元に美がある。それを知るのはいいことだ。
  
posted by Sachiko at 21:03 | Comment(2) | 未分類