2019年07月18日

「The Lost Words」

「The Lost Words」(ロバート・マクファーレン ジャッキー・モリス)

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----あるときから、子どもたちの言語から言葉が消えはじめました...
はじめは誰も気づかないうちにそっと消えてゆき、やがてある日、それらはなくなっていました....

しかし、欠けたものを見つけ、消えたものを呼び戻すための古い魔法があります。正しい呪文が唱えられたら、失われた言葉は戻ってくるかもしれません----


失われたのは、子どもたちの周りの自然界に関する言葉だった。
それも、そう珍しいものではなく、かつてはごく普通に身近に見ることができたはずのものたち....
こんなものまで失われてしまったのか?と思う。

ドングリ、ブルーベル、シダ、タンポポ、ヤナギ、ツタ....

だが...私が子どもの頃には、すでにこれらの言葉はそっと消え始めていた。
約27p×38pのこの大型本には、植物だけでなく鳥や小動物の名前も出てくるのだが、地域が違うということを考慮しても、都心に近いところに住んでいた私は、野鳥や野生動物は身近に見たことがなかった。

ヒバリ、カワセミ、ムクドリ....

カエルの卵やオタマジャクシも、かろうじて遠足に行った先で見たことがあるだけだ。


この本では、失われた言葉を取り戻すために、それぞれの名を冠した詩(正しい呪文)と、美しい絵が描かれている。
そして、読んでいるうちに、失われたのはここに出てくる生きものの名前だけではないことに気づく。

朝露、夕焼け、陽だまり、木陰....
三日月、半月、一番星....
うろこ雲、入道雲、霧雨、夕立....

こうした言葉は今、子どもたちの生活の中にあるだろうか。
人々がもっと自然に近いところに暮らしていた時代には、空模様を読むことや月のフェイズを見ること、動植物の名前を知っていることはあたりまえだったはずだ。

失われた言葉に気づくとき、それらへの関心が戻ってくる。意識を向けられたものはこの世界に居場所を持つようになる。ここにある詩や絵は、その場所へ導く小道のようだ。

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posted by Sachiko at 22:38 | Comment(2) | 絵本