2019年07月07日

「魔女の庭」

「魔女の庭」
これも、魔女だと噂されるおばあさんと子どもたちのお話。

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大きな庭のあるその家の前を通るたび、子どもたちは「あの家には魔女がいるんだよ」とささやきあいました。

ある日みんなは、怪獣に変装して魔女をおどかそうと、庭に入りこみました。

「だれだい?」顔がのぞくとみんなは「魔女だっ!」と叫んで庭へ散っていきました。

おばあさんは笑って「中へおはいり」と言いました。そんなに怖い人ではなさそうです。

「なんて、たのしいんだろう」と、おばあさんはたくさんのパンケーキを焼き、子どもたちはすきなだけシロップをかけて食べました。

それからみんなは庭に出て、池のそばの木の下にすわりました。おばあさんは、ここには妖精が住んでいるのだと言います。

「妖精なんて、ほんとはいないんだよ」
「見たことがない人はそう言うがね。いちどでも見たことがある人は、知っているのさ」

おばあさんは少女のころ、夏の夜にこの池のほとりで、妖精たちのお祭りを見たそうです。

みんなはそれからブナの木の下へ行き、手を取りあって木のまわりを踊りまわりました。家に戻るとき、なんだかもっとたくさんの人たちがいっしょにいるような気がしました。

おばあさんが歌いだすと、いつのまにかそこに小さな男の人が立っていました。
「この人は、ワラ=クリスタラさんだよ」
クリスタラさんは、どんな家にも小人はいるのに、気にかけてもらえないと嘆きました。

子どもたちはもっといろいろ聞こうとしたのですが、とつぜん、小人の姿は消えてしまいました。

「どこの家にも小人がいるって、ほんとう?」
「おまえさんたちは自分の耳で聞いたろう?」

子どもたちはみんな、自分の家の小人たちのために何かしてやりたくなって、おばあさんにお礼を言いながら大急ぎでかけだしました。

いちばん年上のヤコブが、怪獣に変装したときの道具を取りに戻ってきて、思いました。
「もしかしたらおばあさんは、ぼくたちに魔法をかけたのかしら...」

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昨日のカーリーおばさんもそうだが、身近な不思議を大切に思うことや、想像力という魔法を使えるおばあさんは素敵だ。
これは私の絵本コレクションの中でもお気に入りの1冊で、緻密で繊細な絵が美しい。

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posted by Sachiko at 21:42 | Comment(2) | 絵本