2019年07月11日

葉っぱの光

庭のブドウの葉に朝日が当たっている。

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葉っぱに当たる光は不思議だ。
裏側から見ると陽に透けているように感じるけれど、地面には影ができる。

反射するでもなく、透過するでもなく、緑色のランプのように、葉っぱの中に灯りがともる。

葉っぱが重なりあって、光と影が揺れながら毎瞬一度きりの模様を描く。自然はいつも惜しげなく、こんな見ものを与えてくれる。
この緑のランプは、見飽きることがない。

これは森の中のカスターニエンの木。

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posted by Sachiko at 22:19 | Comment(0) | 自然
2019年07月10日

ミドリヒョウモン

去年来ていたウラギンスジヒョウモンは、今年はまだ見ていない。
稀少種なので、今年も無事に帰ってくることを願う。

先日見たのは、このミドリヒョウモンだ。
名前の通り、裏翅に緑色の縞模様がある。

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表翅だけでは他のヒョウモンチョウと区別がつきにくい。
家の中に誘い込んで表側も撮ってみた(すぐ逃がしましたよ)。

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北海道で見られるヒョウモンチョウでは、このミドリヒョウモンが一番多いそうだが、ヒョウモンチョウ自体、数がかなり減っているらしい。

昆虫は動物よりもむしろ植物に近い存在だ。
昆虫の脚が6本なのも意味があるのだろうが、これも不思議。

蝶や蜂が飛び交う季節は嬉しい。小さな昼間の蛾も数種類見かけた。
蜂たちの羽音はほんとうに心地よい夏の音楽だ。
蜂の仲間は大気を浄化する働きをしているという話を聞いて、とても納得した。

蝶が飛ぶ軌跡は、光の道のように感じる。
やはりこの小さな生きものたちは只者ではない。地球にとって、計り知れない役割を持っているのだ。
  
posted by Sachiko at 21:48 | Comment(2) | 自然
2019年07月09日

ハーブ摘み

ハーブを摘むには、晴れた日が数日続いたあとの早朝がいい。気温も湿度も高すぎず、朝夕は涼しく、快晴...と、やっと夏らしい日が続いている。

精油成分がもっとも多いのは日の出前ということだが、今の時期、日の出は4時頃なのでその前に摘むのは無理があるが...

たまたま5時に起きてしまったので、ハーブ摘みをしようと外に出た。
早朝の風は草の香りを含んで涼しい。

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勝手に生い茂っているミント、こぼれ種で殖えて雑草状態のレモンバーム、トマトソースに欠かせないオレガノ。

セントジョンズワート、メドウスイート、ヤロウ、ローズマリーにタイム...

摘みたてのハーブの香りが部屋に満ちる。
吊るしてドライにして保存するが、生のミントやレモンバームで淹れるフレッシュハーブティーも、この季節ならではの味だ。

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花の香りはもちろんすばらしいけれど、私はそれ以上にグリーン系の香りが好きだ。
ハーブの香り、森の香り、何ということのない草を刈ったあとの香り...

古い時代の賢女たちは、植物の香りから、薬効や呪術的なはたらきさえも聴き取ったのだろう。
そう思うと、日本語の「香りを聴く」という言葉は深い。
  
posted by Sachiko at 21:25 | Comment(2) | ハーブ
2019年07月07日

「魔女の庭」

「魔女の庭」
これも、魔女だと噂されるおばあさんと子どもたちのお話。

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大きな庭のあるその家の前を通るたび、子どもたちは「あの家には魔女がいるんだよ」とささやきあいました。

ある日みんなは、怪獣に変装して魔女をおどかそうと、庭に入りこみました。

「だれだい?」顔がのぞくとみんなは「魔女だっ!」と叫んで庭へ散っていきました。

おばあさんは笑って「中へおはいり」と言いました。そんなに怖い人ではなさそうです。

「なんて、たのしいんだろう」と、おばあさんはたくさんのパンケーキを焼き、子どもたちはすきなだけシロップをかけて食べました。

それからみんなは庭に出て、池のそばの木の下にすわりました。おばあさんは、ここには妖精が住んでいるのだと言います。

「妖精なんて、ほんとはいないんだよ」
「見たことがない人はそう言うがね。いちどでも見たことがある人は、知っているのさ」

おばあさんは少女のころ、夏の夜にこの池のほとりで、妖精たちのお祭りを見たそうです。

みんなはそれからブナの木の下へ行き、手を取りあって木のまわりを踊りまわりました。家に戻るとき、なんだかもっとたくさんの人たちがいっしょにいるような気がしました。

おばあさんが歌いだすと、いつのまにかそこに小さな男の人が立っていました。
「この人は、ワラ=クリスタラさんだよ」
クリスタラさんは、どんな家にも小人はいるのに、気にかけてもらえないと嘆きました。

子どもたちはもっといろいろ聞こうとしたのですが、とつぜん、小人の姿は消えてしまいました。

「どこの家にも小人がいるって、ほんとう?」
「おまえさんたちは自分の耳で聞いたろう?」

子どもたちはみんな、自分の家の小人たちのために何かしてやりたくなって、おばあさんにお礼を言いながら大急ぎでかけだしました。

いちばん年上のヤコブが、怪獣に変装したときの道具を取りに戻ってきて、思いました。
「もしかしたらおばあさんは、ぼくたちに魔法をかけたのかしら...」

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昨日のカーリーおばさんもそうだが、身近な不思議を大切に思うことや、想像力という魔法を使えるおばあさんは素敵だ。
これは私の絵本コレクションの中でもお気に入りの1冊で、緻密で繊細な絵が美しい。

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posted by Sachiko at 21:42 | Comment(2) | 絵本
2019年07月06日

「CARRIE HEPPLE'S GARDEN(カーリーおばさんのふしぎなにわ)」

これも、夏の夕刻の不思議な雰囲気がただよう物語。
「カーリーおばさんのふしぎなにわ」というタイトルで日本語版が出ていたことがあるが、絶版になってしまった。

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復刊COMにリクエストしたあとで、あまり状態のよくない英語版の古本をなんとか手に入れたが、これももう見つかりにくい。
アイリーン・ハースの絵がとても美しく、独特の雰囲気のある絵本なので、復刊を願う。
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夏の夕方、みんなは芝生でボール遊びをしていましたが、ボールは壁をこえてカーリーおばさんの庭へ入ってしまいました。

夜遅くにジャングルのような庭にいる、もじゃもじゃ髪のカーリーおばさんが、みんなはすこし怖いのです。

一番小さい勇敢な子が、板の割れ目から庭に入り、みんなも続きました。
ボールを見つけて取ろうとしたとき、カーリーおばさんの靴が見えました。

「あんたたちはここで何をしているの?」
「わたしたち、ボールをとりにきたんです。それだけです」

カーリーおばさんは言いました。
「さて、あんたがたはもうこっちに来たんだから、不思議なことのひとつやふたつ、見せてやってもいいだろう」

不思議なこととは何でしょう?
みんなはおばさんについて行きましたが、そこには鉢植えのナスタチウムがあるだけです。

そしておばさんは話しました。
「これは私には不思議なのさ、そしてきっとみんなにもね。
ナスタチウムの種は、1582年にペルーからイギリスの庭にやってきたんだよ」

「さあ、よく見なさい!」
みんなは庭をまわると、魔法のような光景を見ました。青い星のまわりを、緑いろの霧が立ちのぼっています。

緑いろの葉っぱがやさしく青い花を抱いている、ニゲラ(クロタネソウ)の花です。
「これの名前は「霧の中の愛」というんだよ。緑いろは霧、そして愛は青」

陽が沈み、風が吹き始めました。
カーリーおばさんは言いました。
「みんな、もう行きなさい。でもその前に何か食べなきゃね」

つぼから出てきたのは、スパイスの香りがする特別なパンです。
「わたしは楽しいときにこれを作るのさ。いい子たち、さあ行きなさい」

「さようなら、ありがとう、カーリーおばさん」

芝生に戻ったみんなは、ボールを忘れてきたことに気がつきました。

「眼鏡に気をおつけ!(※子どもたちのひとりは眼鏡をかけている)」壁の向こうから声がして、ボールが高く飛んで返ってきました。

「どうもありがとう、カーリーおばさん!」

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全編、夏の夕方の空気を感じる、緑色ベースの美しい絵だ。
ニゲラの話が出てくるが、ニゲラの群生を遠くから見ると、繊細な葉は立ちのぼる緑のミストのように見えるかもしれない。
久しぶりにニゲラの種をまいてみたくなった。

怖そうだと思っていたおばさんと子どもたちが仲よくなる話の絵本は他にもある。それも近いうちに。

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posted by Sachiko at 22:01 | Comment(2) | 絵本