2019年05月20日

「かもめ食堂」

先日あるところで、久々にこの映画の話題になった。
もう10年以上前の映画だけれど、独特の雰囲気が印象的だった。

お客が来ても来なくても、店主のサチエは日々のルーティンを続ける。
いつも外から店の様子をうかがう年配の女性たちは、なかなか店に入ってこない。

最初の客になったのは日本オタクの青年で、ガッチャマンの歌詞を知りたいという。
歌詞を教えてくれたミドリさんという奇妙な女性が店を手伝うことになる。ムーミンの物語でミイとスナフキンは姉弟なのだと教えてくれたのも彼女だ。
そして、空港でスーツケースを失くしたというマサコさんも仲間に加わる。

これといった事件が起こるわけではないのだが、やはり魅力は“空間”だろうか。
ひとりひとりのまわりにある、ゆったりとした空間。

パーソナルスペースというものがある。
個人が自分の周りに必要とする物理的・心理的空間のことだが、北欧の人々はこれが広いそうだ。(私もかなり広いスペースが必要...)

なぜここの人々はゆったりと暮らせているのかという問いに、オタク青年トンミは答える。
「フィンランドには、森があります」

森....
そう聞いてマサコさんは森に出かけたが、採ったキノコはなぜかなくなってしまう。
スーツケースが戻ってきた時、中は失くしたキノコでいっぱいだった。北欧ではおなじみのアンズタケ、それが金色に輝いている。
何かの象徴なのか、なんともファンタスティックな情景だ。

フィンランドの森と透明な空気と、濃いキャラクター(笑)の人々。
森も湖も、冷んやりと澄んだ空気も、ムーミンの物語も古くならない。
私の好きなこの映画も、まだ古くならないと思う。
  
posted by Sachiko at 22:01 | Comment(2) | 映画