2019年04月13日

青い花

今日は今年最初のモンシロチョウを見た。
早春の小さな青い花が咲き始めている。
(左:チオノドクサ、右:シラー・シビリカ)

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青い花といえば、ドイツ・ロマン派の詩人ノヴァーリスの「青い花」を思い出す。

小学校6年の時、遠縁のおじさんが家に来た際、おみやげに少女向けの雑誌をくれた。実際にはそれは当時の私よりもう少し上の、10代半ばくらいの少女が対象のようだった。

楽しく読んだのだが、中身はもうまったく覚えていない。唯一覚えているのが、「夏休みの読書におすすめの本」という記事で、その中にノヴァーリスの「青い花」があったのだ。
他にどんな本が薦められていたのかも全く覚えていない。

私はこの「青い花」に惹かれて図書室で探したが見つからなかった。それはそうだ、小学生が読む本ではない。その後もずっと見つからず、読んだのは大人になってからだった。全集に入っていたものだが、岩波文庫からも出ている。

原題は「ハインリヒ・フォン・オフタディンゲン」で、中世ドイツの伝説の詩人の名を主人公の名前にしている。
物語では、テューリンゲンの青年ハインリヒが、夢で見た青い花に激しく心を動かされたのち、母の郷里アウグスブルクへ旅に出る。旅の途上で出会った人々から詩の世界に引き入れられ、やがて恋人となる少女マティルデに出会う....

テューリンゲンには、ヨハネ祭の日に山上で幻の青い花をみつけると、その下には宝が埋まっているという伝説があるという。

ノヴァーリスは最も純粋なロマン派の詩人で、わずか29歳で世を去った。最期は弟が弾くピアノを聞きながら、友人シュレーゲルの腕の中で息を引き取り、シュレーゲルは、人間がこんなに美しく死ねるものかと驚いたという。
夭折したため、「青い花」も未完である。


純粋な青い花は少なく、たいていは少し紫がかっている。純粋な青は、天界の色らしい。
ブルーローズやブルームーンなど、「ありえないこと」や「ごく稀なこと」を指すのにブルーが使われたりする。

空や海など、一面の青があるところには、神の力がはたらいているという。美しい青い花があったら、それは天の力の一片なのだろう。
 
posted by Sachiko at 21:36 | Comment(2) | ドイツ関連