2018年12月17日

星の銀貨 -Die Sterntaler-

ターラー銀貨の話から思い出すのが、このメルヒェンだ。
日本では「星の金貨」と訳されていることが多い。

原題が Die Sterntaler(星のターラー)なので「銀貨」が正しいのだが(岩波版では「星の銀貨」になっている)、ターラーが銀貨だと知らなければ、なんだか中途半端で「なぜ銀貨?」と思うかもしれない。
日本語の感覚としては、「星の金貨」のほうがイメージ的には収まりがいい気もする。

特にクリスマスのお話というわけではないけれど、時々クリスマス雑貨のモチーフになっている。
メルヒェン自体は、1ページにも満たない短いお話だ。

―あらすじ―
昔あるところに、小さな女の子がいました。父母は死んでしまい、住むところ寝るところもなく、今ではわずかなものを身に着け、パンの小さな一切れを持っているだけになりました。

神さまだけをたよりに野に出ていくと、食べるものを求める貧しい男の人に出あい、パンをまるごとあげてしまいました。

さらに行くと、「頭が寒い、かぶるものをください」と言う子どもで出あい、帽子をあげました。

すこし行くとまた子どもがやってきて、胴衣を着ていなかったので、これをあげました。

また少し行くと、スカートを求める子どもがいたので、自分のを脱いであげました。

森に入ったころはもう暗くなっていました。
また子どもが現れ、肌着を求めるので、暗いから誰も見ていないと思い、これもあげてしまいました。

もうほんとうに何ひとつ持たずに森の中に立っているところへ、空から星が降ってきて、下に落ちたときには光る銀貨になっていました。

いつのまにか女の子は、新しい上等のリネンの肌着を着ていました。
女の子は銀貨を拾い集め、生涯豊かに暮らしました。

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

メルヒェンは、魂の深奥の、はるかな源泉から生まれた。
だから、人間の魂がこの源泉に触れているかぎり、何百年も前のメルヒェンが、不思議にいつまでも新しい。

sterntaler.jpg
 
posted by Sachiko at 21:40 | Comment(2) | メルヒェン