
リンドグレーンの「おもしろ荘」シリーズのスピンオフのような作品。
絶版になっていたけれど、今は「雪の森のリサベット」というタイトルで新しく出ている。
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妹のリサベットと、お手伝いのお姉さんアルバといっしょに、クリスマスの買い物に行くはずだった日、マディケンは熱をだしてしまう。
アルバとリサベットだけが買い物に行き、アルバが買い物しているあいだ、どこへも歩いていかずに待っていると約束したリサベットだったが.....
アンデルソンのそりの後ろにちょっと乗ってみたところにアンデルソンが戻ってきて、そのままそりを走らせてしまった。
すぐに止まると思ったのに、そりはどんどん森の中へ....
「とめて!おろして!」
リサベットの声で、ようやくアンデルソンはリサベットがいたことに気がついた。
でも家まで送ってはくれず、リサベットは雪の降る森の中に降ろされてしまった。
家ではリサベットがいなくなったことで大騒ぎ。お父さんとお母さんとアルバがもういちど町じゅうを探すがみつからない。
リサベットは、ちょうど通りかかったハンソンさんのそりに乗せてもらい、家に帰っていた。マディケンは大喜び。
お父さんとお母さんが、悲しみのあまり声も出ないまま帰ってきて、子ども部屋を見ると....
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雪の降りしきる森に小さい子どもを置き去りにするなど、ありえないことが起きて、ほうっておけば死ぬところを、うまいぐあいに助けられて、最後はハッピーエンドという、いかにもリンドグレーンらしい展開だ。
物語は、ある日曜日、ふたりが一日じゅう夢中で雪遊びをするところから始まる。
冬の楽しさ、クリスマスが近づく喜びなど、この季節ならではの雰囲気にも満ちている。
森の中でしばらくのあいだひとりですごすリサベットの気持ちも伝わる。でも明るく元気なリサベットにとっては、これも楽しい出来事になったのだ。
「どこへも歩いていかないって約束したんでしょ」
「わたし、どこにも歩いていかなかったわ。そりに乗っていっただけよ」