2018年09月24日

十五夜

旧暦の8月15日、正確な満月は明日の昼頃になる。今日は曇り時々雨だったけれど、夜には雲が切れて月を見ることができた。

旧暦は毎月1日が新月なので、昔の人々はいつもその日の月のフェイズを知っていた。自然に月のリズムに沿って暮らしていたことになる。

十五夜は中国伝来らしい。今はもういろいろな祝祭の元の起源を知る人も少ないだろう。
それでも世界の多くの民族で、秋の祝祭は収穫と結びついている。秋に実る作物の多くは、冬のあいだ貯蔵が可能だ。このことも、思えば不思議で優しい自然のはたらきだ。

古くは、至るところで月は女神として崇められてきた。女神の力は、どこの誰が月旅行を企てようと、陰りはしないと思う。それを忘れてしまったのは人間のほうなのだから。

本格的に月の魔術に手を出さないまでも、秋の半ばの気分と月のエネルギーに同調することで、宇宙のダンスに少しばかり参加することができるだろう。

「私たちの日常生活から失われたのは魔術だけではない。暮らしの節目となる慶事や祝い事もまた失われてしまった。仕事のスケジュールの区切りとなり、毎日の退屈な仕事から解放してくれるのは、日曜日や宗教上の祭日や国民の祝日だが、私たちはこうした祭日や祝日を本来の意味では祝っていない。」(『ナチュラル・マジック』より)

私が幼いころはまだいくらか季節行事を祝う習慣が残っていたが、急速に消えていったのはいつからだったろう。
たぶん、家でゆっくりと小豆を煮てお彼岸のおはぎを作ったりしていたのが、スーパーでパック入りを買ってきて済ませるようになったからか。
とりあえずおはぎを食べるという「形」ではなく、あのゆっくりした時間の中に何かがあったような気がする。

昨日採ってきたススキ。今年の十五夜は遅めなので、穂が開きかけていた。

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posted by Sachiko at 22:39 | Comment(2) | 季節・行事