2018年07月17日

ニーベルンゲンの歌

いかにもドイツらしいこの壮大な叙事詩、前編は英雄ジークフリートの物語、後編はジークフリートの死後、妻クリームヒルトによる凄惨な復讐劇になっている(簡単すぎる説明...)。
秘宝、魔剣、龍退治と、原型満載の物語だ。

この映画を、昔どこかの上映会で観たことがある。
なんと1924年製作のサイレント(もちろんモノクロ)映画で、5時間近い大作なので、たしか二日に分けて上映されたような気がする。

妙に印象に残っているのが、ニーベルング族の刀鍛冶ミーメが剣を鍛えなおす場面だった。
刃を上にして水平に持った剣の上に、小さな白い羽根がゆっくりふわふわと落ちてくる。そして刃にそっと触れた瞬間、羽根はまっぷたつに切れる。

剣はいつも、不思議な象徴的原型だ。アーサー王のエクスカリバー、アラゴルンのアンデュリル(鍛えなおす前の名はナルシル).....

秘宝の隠れ蓑で姿が見えなくなるシーンなど、CGのない時代にはファンタジー的要素の表現は難しかったと思うけれど、なんだかずっしりと来る映画だった。

ニーベルングは「霧の国の人々」という意味で、シュタイナーは、この霧の国はアトランティスを指すと言っている。
アトランティスでは、水は今より希薄で、濃い霧のような大気に覆われていた。ニーベルンゲンの歌の元になった伝説は、エッダやサガの中に残されているが、あの北西の地域では、アトランティスの記憶がまだおぼろに残っていたのだという。

これらの叙事詩や伝説は、「指輪物語」のルーツの一端でもある。
中つ国があるのは一応この地球らしい。アトランティスを思わせる西の国、そして、指輪戦争のずっと後で、サガに描かれるシグルズ(ジークフリート)の時代が来て、それから現代にいたるという設定になっている。

この設定によって、創作されたファンタジーと古い伝説や叙事詩、私たちの今の世界が交錯するような感覚は楽しい。
 
posted by Sachiko at 22:26 | Comment(0) | 神話・伝説