2018年06月30日

人生を1ミリ変える方法

なんだか人生が1ミリも動いて行かないような気分になった時には、種をまいてみる。

土に種をまき、水をやったら、私の仕事はひとまずおしまい。
数日後、1ミリほどのちいさな芽が出ている。いつ見ても、このことは驚異だ。その数日間、土の中で種に何が起こっているのかは、わたしにはわからない。

人生もきっとそのようなのだ。
これは昔どこかで見た詩の一節だったか.....


 漁をするのは私 網を満たすのは神

 種をまくのは私 成長させるのは神


私が為すことと、手を放して委ねること。そのバランスをとること。種をまいたら、芽を出すのを信頼して待つように。
植物を種から育てるとき、そんなことを思う。委ねる叡智の大きさがはかり知れないことも。

写真の芽はバジルで、発芽適温が高いので、夏に近くなった時期に種をまく。
伸び始めると、成長は早い。去年は数株の苗で、ジャム瓶3個分のバジルペーストを作ることができた。

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posted by Sachiko at 22:34 | Comment(2) | 暮らし
2018年06月29日

「大地の天使たち」

フィンドホーンの三人の創設者には、それぞれの役割があったようだ。
創設期には、アイリーン・キャディが神のガイダンスを受け、ドロシー・マクレーンは自然界の霊的存在たちとコンタクトし、それらを基に、ピーター・キャディが実際的な計画や行動の分野を受け持った。

ドロシーが交信した自然界のディーバ(天使)たちからのメッセージが集められた本には、さまざまな種の植物たちのほか、エレメントの天使、風景の天使、地球の天使などからのメッセージが語られている。
「すべての生命はひとつなのです」

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「何億年もの秩序ある進化の後で、核兵器が私たちの繊細な環境に与えた影響を想像してみてください。それでも私たちは人間とは親しい関係にあり、人々に創造主からの生命の息吹を運んでいます。完全なる静けさの中で、その息吹を吸い込んでください。」---風の精霊より

「私たちは破壊し、消費し、変換し、その過程で、生命に健康と温かさをもたらします。あなた方は今、古いやり方が壊れていく変化の時代にいます。あなたの中の変化を受け入れ、それとともに動いてゆきなさい」---火の精霊より

「あなたがたは手から泥を洗い落とし、生命を滅ぼす薬品によって大地を汚しています。その泥、その土は聖なる存在であり、それを卑しめているのは人間なのです。」---風景の天使より

「雨は単に水素と酸素が結合したものではありません。それは測定不可能な目に見えないもの、あなたがたの使っている殺菌処理された水にはない特質をそなえています。」---風景の天使より


生活の中から、生きた水が失われていることを思う。
生きた火、生きた土、生きた空気さえも。
それによって、生命が必要としているはずの「本質」への飢えに近いものが、自分の奥深くにあるのを感じる。そうした飢えや渇きは、無意識的にでも、多くの人が持っていないだろうか。

自然の天使たちはまだ人間に絶望していなくて、辛抱強く語りかけ、手を伸ばしてくれているのだ。
  
posted by Sachiko at 22:09 | Comment(2) | フィンドホーン
2018年06月28日

ラベンダーブルー

ラベンダーは青い ディリ ディリ ラベンダーは緑

ぼくが王様なら ディリ ディリ きみはお妃さま....
(マザーグースより)


この歌を昔、イギリスの女性歌手の声で聴いたことがある。とても古い時代の歌のような(実際古い民謡らしい)シンプルな美しいメロディだった。

ラベンダーのつぼみがふくらんできて摘み頃なのに、曇りや雨続きで収穫できないでいる。2,3日晴天が続いた日の早朝が、一番精油成分が多いのだ。
収穫して余分な葉や茎を取るとき、強いラベンダーの香りが漂う。小さな束を作って部屋に吊るして乾かし、これもバスハーブとして使う。

映画「西の魔女が死んだ」の中で、イギリス人のおばあちゃんがラベンダーの茂みの上にシーツを拡げて干し、香りを移すというシーンがあった。
マネしたくなったが、排気ガスをかぶりそうな場所ではやらないほうがいいだろうし、我が家のラベンダーの茂みはシーツを拡げられるほど大きくない。

香りづけとは別に、昔は日光で漂白するために洗濯物を拡げる、漂白用芝生というのが村にはあったそうだ。(イギリスに、漂白するほどの日照量があったのか?という疑問がふと浮かんだけれど。)

西の魔女は、昔風の服装で、ハーブをたくさん植えて、お茶の時間を楽しんだりしていた。あのゆっくりした時間が流れる暮らし(これはまた別の項で書こうと思うけれど、多くの言語で「暮らし」と「いのち」は同じ言葉だ)、憧れのターシャ・テューダーやルーシー・M・ボストンに似ている。
どうも私はこういうおばあちゃんが好きなのだ....
  
posted by Sachiko at 22:10 | Comment(4) | ハーブ
2018年06月27日

「ユニコーン伝説」

「ユニコーン伝説」(偕成社)
物語は、「大どろぼうホッツェンプロッツ」「小さい魔女」「クラバート」などで知られるドイツの児童文学作家、オトフリート・プロイスラーの作。

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昔、ユニコーンをつかまえようとした三人兄弟がいた。
ユニコーンの角は象牙でできていて、ひづめは純金、ひたいには宝石が輝いているという。つかまえれば金持ちになれると考えた三人は、長い旅に出た。

途中の村で立ち寄った店の主人に、娘のおむこさんになってほしいと言われ、長男はその村に留まることにする。
あとの二人は旅を続け、砂漠で金の塊をみつけた。二男は次の町で家と立派な服を買い、その町で暮らすことにした。

末っ子のハンスはひとりで旅を続けて、地の果てにやってきた。
そこでユニコーンのことを尋ねたおじいさんは、こう答えた。
「ユニコーンを見つけたかったら、火の中、水の中をくぐり抜け、闇と氷の世界を突き進まなくてはならない」

ハンスは突き進み、やがて、森にいるユニコーンを見つけた。角は象牙、ひづめは純金、ひたいには宝石。
ハンスが鉄砲を構え、引き金を引こうとしたその時…ユニコーンがハンスをみつめた。ハンスはその美しさ、気高さに驚き、時のたつのも忘れた。

長い時が経ち、ふるさとに戻ってきたハンスが旅の話をすると、子どもたちはじっと聞き入り、しあわせな気持ちになる....


物語も緻密な絵も、古典の香りが漂っていて美しい。
ユニコーンの気高い姿....

ほとんど死語になってしまったような「気高い」という言葉、日常耳にすることはなく、現代文学でも使われないだろう。
このような言葉がまだ居場所を持っているのが、古典(または古典を題材にした物語)の魅力のひとつだと思う。

最後、話をきいた子どもたちがしあわせな気分になるのは、美しく気高いユニコーンが、遠くの森でまだ生きているからだ。

posted by Sachiko at 21:18 | Comment(2) | 絵本
2018年06月26日

アポテカリ―ローズ

原種のバラのひとつ、ロサ・ガリカという種類は、古代から薬用として用いられていたそうだ。

アポテカリ―ローズ(薬局のバラ)と呼ばれるガリカ種の苗を手に入れたのは何年前だったか...去年あたりから、やっとたくさん花をつけるようになった。

原種らしく、細い棘がいっぱいなので気をつけなくてはいけない。
花も棘の感じも、ハマナスに似ている。ハマナスはガリカ種ではないけれど、やはり昔は薬用に使われていたという。
ハマナスは、アイヌ民族と薬草について書かれた本にも載っていた。花ではなく根を煎じて飲んでいたようだ。

きれいなピンクの花は、とてもいい香りがする。
私は、花びらをドライにしたものをバスポプリとして使っている。

このアポテカリ―ローズという名前、ドイツの街角で多く目についたApotheke(薬局)の看板を思い出す。遠い昔の話だけれど...

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posted by Sachiko at 21:36 | Comment(2) | ハーブ