2019年05月22日

庭の訪問者たち

ライラックの木に2羽のヒヨドリが来ていた。雌雄同色ということなので、つがいだと思う。
心の中で「いらっしゃい、よく来たね♪」と言うと、1羽がそばに飛んできた。もう1羽は少し離れたところでこちらを見ている。

ヒヨドリをこんなに近くで見たのは初めてだ。
尾が長く全体が地味な灰色、頭の後ろ側の毛が寝ぐせみたいにボサボサになっているのがかわいい。
飛ぶときには一度翼を閉じて、波打つように滑空するのですぐわかる。

首がすらりと長い灰色の大きめの鳥が頭上を飛んで行ったが、これは名前がわからない。水鳥のようだけれど、こんなのは初めて見た。


今年は春先から白い蝶がたくさん飛んでいる。いつものモンシロチョウだと思っていたら、翅脈が黒い。スジグロチョウの仲間だと思うが特定できない。
せわしく飛び回ってなかなか止まらないのでじっくり見ることができなかった。

小さなベニシジミも帰ってきた。春型は赤い色が鮮やかだ。
(飛ぶものを写真に収めるのは難しく、画像はなし...(-.-;)
ともかく、こうしてまたおなじみの生きものたちが見られる季節になった。

これはまるで関係なさそうに見えるダイコンの芽だけれど....

daikonnome.jpg

アブラナ科の植物はモンシロチョウの食草なのだ(食べられないように気をつけなくては)。
双葉のかたちは蝶に似ているが、これは偶然ではないようだ。

 植物を見てごらん
 それは大地に繋がれた蝶々
 蝶を見てごらん
 それは宇宙によって解き放たれた植物
(丹羽敏雄「百合と薔薇」から、シュタイナーの言葉)
  
posted by Sachiko at 22:39 | Comment(0) |
2019年05月21日

アマの花

淡いブルーのアマ(フラックス)の花が咲いている。

ama.jpg

一日花なので、朝咲いた花は午後にはしぼんでしまうが、開花期には毎日次々と咲き続ける。
茎も葉も花もとても繊細で、風に揺れる姿は可憐で美しい。

これは観賞用アマで、繊維用のアマはもっと背が高い。高さのほかは見た目はほとんど同じだ。
メルヒェンに出てくる糸紡ぎの話も、紡ぐのはたいてい亜麻の繊維だ。

中世ヨーロッパではまだ綿は高価で普及していなかったから、普通の人々が着ていたのは麻や羊毛の服だったはずだ。
中世を題材にした映画などで見る衣裳はゴワゴワして着心地が悪そうだが、上質のリネンならなめらかで光沢がある。

ターシャ・テューダーの本に、亜麻の種をまいて育て、繊維をとり、紡いで織って、シャツを縫い上げたときには素晴らしい達成感を感じたという話が載っていた。

やってみようかという考えがチラと浮かんだが、やめておいた。茎を刈り取り、水に漬けて発酵させてから繊維をとるプロセスがかなり大変で、手に負えるものではなさそうなのだ。

昔の人も繊維をとるところまでは分業で、女性たちは繊維の束を手に入れて紡いでいたのだろう。
そして、こういう仕事には助けてくれる妖精たちもついていたはずだ。

このような繊細な植物から丈夫な繊維がとれる。
人間の暮らしに必要なものは、本来自然界にすべて用意されているというのは確かだと思う。
  
posted by Sachiko at 22:22 | Comment(2) | 自然
2019年05月20日

「かもめ食堂」

先日あるところで、久々にこの映画の話題になった。
もう10年以上前の映画だけれど、独特の雰囲気が印象的だった。

お客が来ても来なくても、店主のサチエは日々のルーティンを続ける。
いつも外から店の様子をうかがう年配の女性たちは、なかなか店に入ってこない。

最初の客になったのは日本オタクの青年で、ガッチャマンの歌詞を知りたいという。
歌詞を教えてくれたミドリさんという奇妙な女性が店を手伝うことになる。ムーミンの物語でミイとスナフキンは姉弟なのだと教えてくれたのも彼女だ。
そして、空港でスーツケースを失くしたというマサコさんも仲間に加わる。

これといった事件が起こるわけではないのだが、やはり魅力は“空間”だろうか。
ひとりひとりのまわりにある、ゆったりとした空間。

パーソナルスペースというものがある。
個人が自分の周りに必要とする物理的・心理的空間のことだが、北欧の人々はこれが広いそうだ。(私もかなり広いスペースが必要...)

なぜここの人々はゆったりと暮らせているのかという問いに、オタク青年トンミは答える。
「フィンランドには、森があります」

森....
そう聞いてマサコさんは森に出かけたが、採ったキノコはなぜかなくなってしまう。
スーツケースが戻ってきた時、中は失くしたキノコでいっぱいだった。北欧ではおなじみのアンズタケ、それが金色に輝いている。
何かの象徴なのか、なんともファンタスティックな情景だ。

フィンランドの森と透明な空気と、濃いキャラクター(笑)の人々。
森も湖も、冷んやりと澄んだ空気も、ムーミンの物語も古くならない。
私の好きなこの映画も、まだ古くならないと思う。
  
posted by Sachiko at 22:01 | Comment(2) | 映画
2019年05月18日

おとめ座の話

春はあまり夜空に目が向く季節ではない気もするが、今の時期は南の空に、おとめ座のα星スピカが輝いている。
そして今日は満月(正確には明日の朝6時頃。明日の夜より今夜のほうが満月に近い)。

白く輝くスピカは、いかにも清らかな印象を与える。
おとめ座のかたちは、女神が横たわっている姿で、スピカは手に持った麦の穂の位置にあたる。

昔どこかで聞いたのはこんな話だった。
遥か昔、まだ人間と神々は地上で共に平和に暮らしていた。しだいに人間が欲望をつのらせ、地上が荒れていったために、神々はひとりずつ天に帰っていった。
純潔の女神アストライアが最後まで地上に残っていたが、やがて彼女も天に上っておとめ座になった....

一般には、星図に描かれているおとめ座は、豊穣の女神デーメーテールだと言われている。

おとめ座といえばもうひとつ、近隣の銀河が集まったおとめ座銀河団、そして幾つかの銀河団がまとまった更に大きなおとめ座超銀河団を思い起こす。

地球がある銀河系は、おとめ座超銀河団の端にある。
言葉としては理解できるのだが、このくらいのスケールになると、もう大きさのイメージがついて行かない。
いったい宇宙はどんなことになっているのか、それらはほんとうにあるのか....?

豊穣の女神の話に戻ると、デーメーテール(Demeter)の名は、世界一厳しいオーガニック基準と言われるドイツのデメター認証の名前にもなっている。
これはシュタイナーが提唱したバイオダイナミック農法に基づくもので、デメター認証のコスメは日本でも手に入るが、食品は難しい。

一時、デメター認証のスペルト小麦粉が手に入ったことがあり、ほんとうにおいしかったのだが、輸入業者が取り扱いをやめたようで、今では幻になってしまった。
…少し話が逸れた。麦の穂はスピカに戻そう。
  
posted by Sachiko at 22:08 | Comment(4) | 宇宙